2022年4月13日、米華字メディア・多維新聞によると、新型コロナの感染拡大防止で封鎖管理されている吉林省長春市の団地に住む女性が、窓からたらいをたたいて物資不足に抗議したとして行政拘留処分を受けた。

記事によると、中国のSNS上でこのほど「たらいをたたいて鳴らす行為を扇動した男が拘留された」として、封鎖管理されている団地の住民が一斉に金たらいなどを鳴らす様子を撮影した動画が拡散し、ネットユーザーの間で注目を集めた。実際には、同市の団地に住む43歳の女性が今月8日に「緊急事態下の決定、命令に従うことを拒否し、騒ぎを引き起こした」として7日間の行政拘留に300元の罰金処分を受けていたという。

この団地に住む住民の話によると、団地はすでに30日余り封鎖状態になっており、基本的な生活物資は行政が配送を担って保障されている一方で、配送を申し込める物資は生活必需品に限られ、不要不急の物資については満足な供給が行われていないという。

ネットユーザーからは「餓死してしまったとしても、たらいはたたくなってことか！」「物資の配給がちゃんと保障されているという証明を示してほしい。そして、不満をぶちまけただけで拘留処分を受けなきゃいけないの？」「物資の配給が保障されているという人たちが、他人のたらいたたきを告発せずに自らも加わっている。これっておかしくないか？」「たらいたたきが一体どんな法律に違反するというのか。物申したいからたらいをたたくわけでしょ？市民生活や陽性患者の収容にはやる気を出さないで、人を捕まえるのだけは積極的」などといった不満の声が相次いだと記事は伝えている。

同市では3月中旬に1日の新規感染者が1000人を超え、同11日には「動態的ゼロコロナ」方針に伴う市内の封鎖管理を開始した。1か月が経過した現在も多くの地域で封鎖状態が続いている。記事は、長期化する封鎖管理により市民の間で食料調達が困難になる問題が生じており、3月末には同市政府幹部が謝罪を行ったことを併せて紹介した。（翻訳・編集/川尻）