中国で若者の詐欺被害急増、なぜ「母親よりもだまされやすい」のか?

Record China    2022年4月17日(日) 22時0分

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11日、新浪微博(ウェイボー)で、中国公安部刑事偵査局の詐欺防止アプリ「国家反詐中心」の公式アカウントのツイートが注目を集めている。北京南駅

2022年4月11日、中国版ツイッター・新浪微博(ウェイボー)で、「なぜ若者が簡単にだまされるのか」などのハッシュタグ付きで動画と共にアップされたツイートが注目を集めている。

ツイートは、中国公安部刑事偵査局が21年3月末にリリースした詐欺防止アプリ「国家反詐中心」の公式アカウントからのもので、「詐欺的な情報への警告、詐欺的な内容の迅速な報告、予防意識の向上を支援する通信詐欺対策アプリ」として、報告アシスタント、報告の手掛かりとなる不正行為の警告、不正行為防止の宣伝など、さまざまな機能を兼ね備えている不正防止ツールだという。

ツイートと共にアップされた動画によると、「21年の詐欺被害者のうち、18~35歳が65.5%、36~59歳が31.1%を占めており、最もネットに慣れ親しんでいる若い世代に一番被害が多い」という。動画はその理由として「1990~2000年以降に生まれた若い世代は、ネットを多く利用しながらも、社会経験が浅いことから、詐欺師たちの格好の標的になっている」「ネットに依存し、経済力に乏しい若者、特に大学生がネットショッピングや架空の注文やレビューのアルバイトで詐欺に巻き込まれている」といった点を挙げ、「多くの場合、若者たちは母親よりもだまされやすいとも言える」とした。

さらに「なぜ高等教育を受けているはずの大学生がだまされるのか」という疑問を提起し、その答えとして「若者が愚かなのではなく、詐欺師の方が何枚も上手だから」と指摘。百度(バイドゥ)の20年の研究レポートのデータを引用し、「詐欺業界では多階層の分業化が進んでおり、上流中流下流とリンクしたチームワークで行動している」「上流にいるハッカーが違法な手段でモバイル端末などから個人情報やユーザー権限を抜き取り、通話チームに売る」「通話チームは、中流に位置する技術サポートチームが提供するトロイの木馬やフィッシングサイトなどのツールやバックアップを受けながら被害者に電話やショートメールでうその情報を送信する」「下流のマネーロンダリングチームの受け子が虚偽の身分情報を使って業者に大量のキャッシュカードを発行させ、口座の金を別の口座に移し、出し子組が各地のATMでお金を引き出す」「中には心理学やAI(人工知能)や機械学習、ビッグデータ技術まで活用し、被害者を信じ込ませたケースもあった」と具体的に説明し、「詐欺は用心するに越したことはない。国家反詐中心のアプリをインストールして、全国から詐欺撲滅の一歩を踏み出そう」と結んだ。

このツイートに対し、他のネットユーザーからは「頭の中で棚からぼたもちが落ちてくるとか、通勤せずにお金を稼げるとかばかり考えているからだ」「金銭の話になったらいつも電話を切るようにしている」「自分の身の回りに起きない限り、詐欺の怖さに実感が湧かない」「詐欺は身近にある。防犯意識をしっかり持たねば」「知らないアドレスをクリックしないこと。詐欺師はいつも甘い言葉でやってくる」「政府は被害者のために金品を取り返す以外に、取り返せていない被害者が生活を継続できるよう救済措置を講じてほしい」などのコメントが寄せられている。(翻訳・編集/原邦之

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