韓国の新政権発足控え南北対立ヒートアップ、「先制攻撃」に「核攻撃」で威嚇

Record Korea    2022年4月9日(土) 7時20分

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韓国で5月に尹錫悦政権が発足するのを控え、北朝鮮との南北対立が早くもヒートアップ。韓国側が「先制攻撃」に言及したのに対し、北朝鮮は「核攻撃」をちらつかせ、威嚇した。

韓国で5月に保守系の尹錫悦政権が発足するのを控え、北朝鮮との南北対立が早くもヒートアップしている。韓国の徐旭国防相が北朝鮮のミサイル発射兆候が明確である場合は「先制攻撃」と言及したのに対し、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は「核攻撃」をちらつかせ、威嚇した。

聯合ニュースによると、徐国防相は1日に行われた陸軍のミサイル戦略司令部の改編式に出席。「軍は射程と正確度、威力が大幅に向上した多量・多種のミサイルを保有し、北朝鮮のいかなる標的も正確かつ迅速に打撃できる能力を備えている」として、「特にミサイル発射兆候が明確である場合は発射点と指揮・支援施設を打撃できる能力と態勢も備えている」と言明した。

ミサイル発射の兆候がある場合、発射地点を攻撃する態勢は核・大量破壊兵器(WMD)対応体系を構成する「戦略的打撃体系」の一環。戦略的打撃体系は過去の保守系政権で推進された北のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃する「キルチェーン」と北朝鮮から攻撃された場合に指導部などに報復攻撃を行う「大量反撃報復(KMPR)」を含む。

聯合ニュースは徐国防相の発言について、「尹次期大統領は李明博、朴槿恵両政権で進められた北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗する防衛・反撃システム『3軸体系』を再構築する方針を示しており、強硬路線への転換を予告する発言ともみられる」「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の追加発射や核実験など挑発行為を行う可能性がある中、公に警告のメッセージを発信したといえる」と報じた。

これに対し、金与正氏は3日、朝鮮中央通信を通じて発表した談話で「南朝鮮(韓国)の国防相はわが国に対する『先制打撃』の妄言を吐き、反共和国(北朝鮮)対決の狂気をあらわにした。南朝鮮は国防相という者がむやみに吐いた妄言のせいで深刻な脅威に直面するかもしれない」と警告。「核保有国を相手に『先制打撃』をやたらにうんぬんし、自分らにも決して有益でない軽率な空威張りをしたのである」と付け加えた。

さらに「南朝鮮軍部がわれわれに対する深刻な水準の挑発的刺激と対決の意志を表した以上、私も委任により厳重に警告する。われわれは南朝鮮に対する多くのことを再考する」と表明。「委任」という表現を使い、金正恩氏の意を受けたことを示唆した。

金与正氏は5日に公表した談話でも韓国が北朝鮮に対し先制攻撃といった軍事行動に乗り出すなど軍事的な対決を選択する状況になった場合には「やむなく、われわれの核戦闘武力は任務を遂行しなければならなくなる」と強調。一方で「われわれは南朝鮮を狙って一発の銃弾、砲弾も撃たない」「南朝鮮を武力の対象としない」とも述べた。(編集/日向)

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