上海市で無症状感染者が過去最多を更新、専門家「理由は3つ」―中国メディア

Record China    2022年3月30日(水) 12時20分

拡大

28日、中国メディアの新浪新聞網は、新型コロナウイルスの新規感染者のうち、無症状者が過去最多を記録したことについての専門家の見解を紹介する記事を公開した。写真はロックダウン中の上海。

2022年3月28日、中国メディアの新浪新聞網は、上海で27日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者3500人のうち、無症状者が過去最多の3450人を記録したことを受け、専門家の見解を紹介する記事を公開した。

記事は初めに、新型コロナウイルス感染者の現時点の状況について紹介。上海市当局の28日の発表によると、上海で27日に確認された新型コロナウイルス新規感染者は、無症状者が3450人で過去最多を更新したという。また、国家衛生健康委員会の発表によると、中国本土で27日に確認された無症状の新規感染者は5134人で、症状のある感染者は1219人、無症状者の7割近くが上海の感染者だという。

記事は次に、無症状の感染者が過去最多を更新したことについて、中国工程院院士の張伯礼(ジャン・ボーリー)氏の見解を紹介。張氏はこの件について、「三つの理由」を述べた。一つ目は「オミクロン変異株は感染力が強い代わりに毒性が弱い」点で、「オミクロン変異株とデルタ株の致死率の比較分析から、致死率が下がっているオミクロン株の毒性は他の変異株に及ばない」「感染後に症状が短期間で現れない感染者が多い」と指摘した。二つ目は「各地で広範囲に検査を実施したため、早期発見により、感染初期の無症状で発見できた患者が多い」点で、「24時間以内にPCR検査結果を確定させることを目標とした政府当局の施策により、以前のような発熱やせきなどの症状が出てから医療機関を受診することで初めて感染者を発見するよりも、各段に早く感染者を発見できるようになっている」と述べた。三つ目は「ワクチン接種が進み、人々の免疫力が上がったから」と指摘した。

一方で張氏は「油断は禁物」として、「オミクロン株は感染力とステルス性が強いため、今日無症状だったからと言って、明日もそうだとは限らない」「特に高齢者や基礎疾患持ち、虚弱体質、肥満、ヘビースモーカーには容体が急変するリスクがある」として、「漢方薬による治療はオミクロン株に対して大きな役割を果たす」「患者が陽性から陰性に転じるまでの期間も比較的短く、軽症から重症に転じる率も比較的低い」と述べた。

張氏は最後に「無症状感染者の感染力と予防法」についての質問に、「無症状感染者はステルス感染を容易に引き起こしやすく、発見した時には1人から十数人に感染したケースもあった。無症状だからと言って、体内のウイルスにまったく毒性と感染力がないとは限らない」「無症状感染者が増え、発見が遅れれば、ウイルスが拡散し、予防がさらに困難になるからこそ、一刻も早く感染源を特定する作業を厳しくやらなければならない。スピードがカギになる。早期発見、早期隔離が重要だ」「オミクロン変異株のステルス感染による流行や多方面の感染経路の存在で、感染源の特定作業が複雑かつ困難になり、より細かく厳しい作業を強いられることになった」「感染者の症例や濃厚接触者、二次的接触者、一般の接触者に注意するだけでなく、症例が発生する以前に感染ネットワークが存在するかにも配慮し、無症状感染者を見つけることに尽力せねばならない。最短ですべての無症状感染者を発見し、コミュニティ内の感染を徹底遮断してこそ、ゼロコロナは実現可能だ」と回答した。(翻訳・編集/原邦之

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携