人民網日本語版 2022年3月28日(月) 9時40分
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ここ数年、職場を離れて家庭に入り、専業主婦になる女性が少なくない。しかし専業主婦は若い女性には人気がなく、「リスクの高い職業」と見なされている。
「年中無休」、「キャリアアップの機会も選択権もなく、自分の生活というものがない」、「社会との接点がなくなり、自信が持てない」……ここ数年、職場を離れて家庭に入り、専業主婦になる女性が少なくない。しかし専業主婦は若い女性には人気がなく、「リスクの高い職業」と見なされている。工人日報が伝えた。
■子どもを見る人がいない、経済的なプレッシャーが大きい
1979年生まれの陳涓琳さん(仮名)は、専業主婦になる前は広東省深セン市の証券会社のカウンターで口座開設業務を担当していた。
陳さんは専業主婦になった理由を「仕方なかったから」とし、「一番最初は上の子の体の具合が悪くなったが面倒を見る人がいなかったから。その後下の子ができて、ますます家から出られなくなった」と振り返った。
「毎朝6時過ぎに起きて、朝ご飯の支度をして、7時過ぎに子どもを学校に送り、家に帰ると朝ご飯のお皿を片付けて、昼ご飯の準備をする。11時過ぎになると子どもを学校に迎えに行き、帰ってきて昼ご飯。終わると子どもを外に連れて行って遊び、午後2時にもう1回学校に送り届け、帰宅して家の片付けと掃除。4時を回ると子どもを学校に迎えに行って、帰ると宿題を見てやり、夜ご飯の準備を始めて……」。陳さんの毎日はこんな風に過ぎていく。
経済的なプレッシャーの大きさが陳さんの一番の悩みだ。陳さんは取材に、「ここ数年、自分のための買い物はほとんどしていない。アクセサリーもつけないし、化粧もしていない。うちにはほぼ貯金がなく、今一番の願いは平穏無事に過ごすこと。何かあったら対処できないから」と話した。
97年生まれの呉曦さん(仮名)も陳さんと同じように、子どもの面倒を見る人がいなかったため、仕事を辞めて専業主婦になった。
「私もどうしようもなかったので、ベビーシッターに子どもの世話を頼んでも、家に子どもを見る人が誰もいないと心配だった。これから2年以内に2人目の子どもがほしい。その子が幼稚園に上がったらまた働こうと思う」と話す呉さんの最大の悩みは、「理解されないこと」だ。「洗濯して、ご飯を作って、掃除をして、一日中、朝から晩まで米や油や塩といった暮らしのこまごましたことや、紙おむつなど子どものことでてんてこ舞いで、自分の時間が全くない。それなのに『家で子どもの世話をするのがそんなに大変か?お金を稼いで一家を養う苦労がないんだからいいじゃないか』と言われる。特に子どもができてからは、24時間・全天候対応で常に出勤しているようなものなのに、夫に愚痴をこぼしても、全然取り合ってくれない」と呉さん。
■社会から取り残され、職場復帰は困難
自信がない、コンプレックスが強いというのが、陳さんの自分に対する評価だ。陳さんは取材に、「自分に何が出来るのかわからない。自分は全く役に立たない人間のような気がする」と何度も繰り返した。
陳さんは、「子どもが学校に上がってから、何度も仕事を探そうとしたけれど、そのたびに壁にぶつかった。仕事を辞めてからかなり時間がたっていることが主な原因だ。自分は再就職に備えて充電もしてこなかったし、学歴は高くないし、経験も不足していて、高学歴の若い人とポジションを争うことになれば、何の優位性もない」と話した。
陳さんの苦悩はまさに呉さんの母親が心配していることだ。呉さんは夫の実家が裕福なため経済的な負担はないが、呉さんの母親は、「若い人は自分の力で立つべき。少なくとも自分を養うだけのお金を稼ぐ力を持つべき」と考える。
呉さんは、「自分でも矛盾していると思う。子どもの世話をちゃんとしたい気持ちがある一方で、社会と接点のない時間が長くなると、再就職がすごく難しくなると心配にもなる」と率直に話した。
呉さんは、「母が外で働くようにと言い続けるもう一つの理由は、結婚生活に何かあって、私が食べていけなくなるのを心配しているからだ。一生うまくやっていけると保証されている夫婦はいない。自分には貯金も収入もないし、我が家の資産といっても結婚前からある資産で、何かあれば受け身の立場に立たされる。子どもの養育権すら勝ち取れないかもしれない」と話した。
社会との接点がなくなる、再就職が困難、仕事を探せば壁にぶち当たる……多くの女性の目には、専業主婦は「ハイリスク職業」に映る。
■離婚したら家事労働への補償を、職場復帰の能力を維持
ここ数年の離婚をめぐる訴訟では、多くの専業主婦による家事労働への補償の請求が認められている。「民法典」は立法の観点から家事労働に独立した価値を認め、家庭を維持するためにより多く家事労働を行った側が、離婚に際して家事労働への補償を請求することへの法律的なハードルがなくなった。
中国労働関係学院法学院の沈建峰院長は、「国家レベルで見ると、最も直接的な支援の仕方はこうした(専業主婦の)人々を都市部・農村部の基本養老保険(年金制度)の保障対象に組み込むことで、これは今ではほぼ実現した。『社会救済法』も生活苦に陥った専業主婦に支援を提供できる。将来の制度の発展ということを考えると、育児期にある働く男女には社会保険から補助金つきのより長期の育児休暇を与えるべきであり、出産の奨励と専業主婦の権利保障ということを考えると、育児のために専業主婦になった人に育児補助金を支給してもよい」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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