2022年3月17日、韓国・ソウル新聞は「李明博（イ・ミョンバク）元大統領の赦免に反対する大統領府への国民請願が、2日間で13万人以上の同意を得た」と報じた。

記事によると、大統領府の国民請願掲示板に15日、「李明博前大統領の赦免に反対します」という題名の請願文が投稿された。請願者は「現在議論が進んでいる李明博元大統領の赦免に対し強く反対する」とし、「李元大統領は現在『特定犯罪加重処罰などに関する法律』に基づき、贈収賄罪などの罪で有罪判決を受けて収監中だが、元大統領が収監されても数年たてばまた赦免されるという悪循環を断ち切るためには、政治腐敗犯罪に対して厳格な処罰が下されなければならない。温情主義的な赦免は許されない」と主張した。

また、「一部では国民統合の観点から赦免が必要との声もあるが、昨年11月に実施された世論調査の結果、国民の48％は赦免に反対しており、むしろ国民を分裂させる可能性がある」とし、「朴槿恵（パク・クネ）前大統領とは異なり、李元大統領は健康上の問題も特に提起されておらず、自身の犯罪行為について国民に対し反省する態度も見せていない」と説明した。そして、「政治改革の観点から李元大統領の斜面に断固反対し、二度とこのような議論が出てこないことを望む」と強調したという。この請願文は、17日午後2時の時点で13万2776人の同意を得ている。

この件について、尹錫悦（ユン・ソクヨル）次期大統領の側近であるクォン・ソンドン議員はラジオ番組に出演し、「朴槿恵前大統領は赦免し、それより年齢が高く、量刑も軽い李元大統領を赦免しなかったのはある意味政治報復。文在寅（ムン・ジェイン）大統領が退任前に決断を下すべき」と発言。一方で「共に民主党」のパク・チュミン議員は同日、「先日朴前大統領を赦免した際、李元大統領の赦免も検討したが、状況や時期や国民感情などを考慮し、適切ではないと判断した。尹氏から要請があったとしても、当時の決断を覆すのは適切ではない」と反論したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「自分も今、掲示板で同意してきた」「罪を犯したのなら償って当然。政治家だから赦されるというのは違う」「公職者がクリーンであってこそ健全な国が保たれる。赦免なんてあり得ない」「朴前大統領は気の毒に思えたが、李元大統領には全く同情できない」「絶対に反対。反省する気配が一向に見えない」「考え方がおかしい。そもそも反省をしても赦免は無理」など、李元大統領に対する批判的なコメントが相次いでいる。（翻訳・編集/丸山）