中国では今年の秋に共産党幹部の人事を決める5年に1度の第20回党大会がある。米国の中国語ニュースサイトの多維新聞は17日、国内外の試練が人事に影響を及ぼすとする記事を掲載した。

記事によると、中国では最近、新型コロナウイルスの感染が急拡大している。本土で15日に確認された症状のある新規国内感染者は1860人と、4日連続で1000人を上回った。ロシアとウクライナの軍事衝突も中国にとって「悩み事」で、米国が中国を戦略的競争相手と見なす中、国外の制御不能で不確実な要素は増える一方だ。

中国の最高指導者である習近平（シー・ジンピン）氏は昨年1月11日、党幹部の最高養成機関である中国共産党中央党校で行われた省部級幹部対象のセミナーで、「現在および今後の一時期、わが国の発展は依然として重要な戦略的チャンスの時期にあるが、チャンスと試練はいずれも新たに発展・変化し、チャンスと試練の大きさは未曾有のもので、全体としてはチャンスが試練よりも大きいことをはっきり見て取らなければならない」と述べた。

汚職や腐敗を取り締まる中国共産党の中央規律検査委員会が同年2月18日に発表した論文「力強い戦略的定力（戦略を実行する意志と気力）をもって百年未曾有の大変局に対処する」は、「戦略的定力、戦略的自信、戦略的根気を保ち、正確に変化を認識し、科学的に変化に対応し、主動的に変化を求め、各種の予見可能および予見困難な荒れ狂う風雨と逆巻く大波の中で、国家の安全を守る戦略的主導権をしっかりと自らの手中に握らなければならない」と指摘している。

過去とは異なるこの新しい情勢は、中国共産党に対する新たなより高い要求であり、党の執政能力と経験に対する試練でもある。中国共産党がこれを行うことができれば、中国の発展と情勢をより高い層に引き上げ、国際情勢も改善するだろう。

注目に値するのは、中国共産党がそのような判断と要求に基づいてどのように対応し変化するかだ。第20回党大会の人事からそれが分かるだろう。（翻訳・編集/柳川）