ドキュメンタリー映画『中国・日本 私の国』、中国残留邦人二世女性タクシードライバーの力強い半生

Record China    2014年6月3日(火) 18時8分

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3日、ドキュメンタリー映画『中国・日本 私の国』が、今月21日から東京ユーロスペースほか全国順次公開される。

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2014年6月3日、ドキュメンタリー映画『中国・日本 私の国』が、今月21日から東京ユーロスペースほか全国順次公開される。

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中国と日本の血を受け継いだタクシードライバーとして働く山田静さんの生い立ちは、まさに日中戦争に翻弄(ほんろう)された人生だった。日中の血を受け中国で育った彼女は、差別や家庭の崩壊など決して平穏な人生ではなかった。それでも彼女は「2つの国は、私の国。国籍は関係ない」と人懐こい笑顔で笑う。彼女の目を通して、日中の歴史と未来のありさまを探ると共に、日中間の現状の改善を願う作品だ。

現在、亀有駅を拠点にタクシードライバーとして働く彼女は、母の祖国・日本に来て22年目を迎えた中国残留邦人二世である。日中戦争終戦後の中国で育った彼女は、幼い頃母が日本人という理由で「文化大革命」の迫害を受けた。それでも持ち前の負けん気と笑顔で明るく生き、50人もの社員を雇用する内外装の会社を経営するまでになった。その名誉も地位も投げ捨て子どものために日本にやってきた。

中国で二度、日本で一度の離婚を経て、女手一つで異父兄弟4人を育て上げ、自分の持ち家を買った。弱音は決して吐かず、家族のために休む暇なく働く。そんな時、彼女は肝臓を患い手術する。その際、「お墓参りに行っていないから、お母さんが怒ってるんじゃないか」とつぶやく。彼女は2人の子を連れ、母の墓のある大連へ向かうのだった。その里帰りに監督も同行し、彼女の「肝っ玉おっ母」たるルーツを辿る壮絶なロードムービーを収めることになったのだ。

監督は、自主制作で第1回水戸短編映画祭グランプリを獲得し本作品がデビュー作となる、ちと瀬千比呂監督。彼女の人柄に惹かれ壮大な半生を撮り続けたという。

自分のことよりもまず人のことを思いやる彼女には、人が日中どちらの国籍であっても関係ないのだ。周りの人を魅了する彼女の人柄は、人のために今もなお困難に立ち向かい努力を続けている。彼女の夢は、「日中友好の架け橋を作ること」だ。彼女は幸せを求めてこれからも生きていく。

『中国・日本 わたしの国』

山形国際ドキュメンタリー映画祭2013正式出品

2014年6月21日(土)より、東京ユーロスペースほか全国順次公開。

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