1日平均125分、ショート動画はなぜやめられないのか?―中国

人民網日本語版    2022年2月28日(月) 14時50分

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若者に一番好きな暇つぶしは何かとたずねれば、「ショート動画を見る」と答える人がたくさんいるだろう。

若者に一番好きな暇つぶしは何かとたずねれば、「ショート動画を見る」と答える人がたくさんいるだろう。ショート動画を見たことのある人ならほとんど、「最初は15秒の動画を1本だけ見よう、ちょっとリラックスしようと思っていただけなのに、次から次へと見てしまい、結局一晩中見てしまった」という経験があるかもしれない。2021年8月に中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した「中国インターネット発展状況統計報告」によると、中国のショート動画ユーザーは8億8800万人に達し、ネットユーザー全体の87.8%を占め、1日の平均利用時間は125分にもなり、半数以上が毎日見ているという。光明日報が伝えた。

15秒間、縦画面、画像と音楽が融合したスタイルのコンテンツ、これがショート動画共有プラットフォーム「抖音(TikTok)」の製品の位置づけで、ここ数年間に爆発的に人気が出たショート動画はほぼすべてこのスタイルを踏襲している。南京市第一医院心理カウンセリング外来主任の牟暁東さんは、「長い動画と異なり、ショート動画は見ている人の注意力を一気に引きつけることができる。15秒で目を引くために、人気のショート動画は必ず誇張した笑いのポイント、びっくりするような画面、頭にこびりついて離れない音楽を1本の動画の中に盛り込んでいる」と分析した。

人々がショート動画にのめり込むのはなぜか。牟さんは心理学の知識を用いて、「スイカやカボチャなどの種をかじる効果というものがある、種をかじるプロセスはどんなものか、ちょっと考えてみてほしい。上下の歯で殻を割ると、中身が出てくる。1粒食べれば、すぐに2粒目、3粒目と手が伸びて、止まらなくなる。これはショート動画を見る時の私たちに似ていないだろうか。手で画面をなぞると、すぐに15秒間の手軽な楽しみを得られる。種をかじっていて、気がつけば1袋全部食べてしまった時のように、ショート動画も気がつけば何時間も見ているということがある。この2つは手軽な満足を得られる行為の典型だ」と説明した。

牟さんは続けて、「見始めてやめられなくなるのは、ショート動画プラットフォームのアルゴリズムと関係がある。ショート動画のアルゴリズムによる動画おすすめのメカニズムがどの動画が出るかを決定するのであって、あなたが選んでいるわけではなく、むしろアルゴリズムがあなたを選んでいる。具体的には、映画やテレビドラマなどの長い動画を見る時は、自分の見たいコンテンツを自分で選んでいるが、ショート動画は各プラットフォームが自社のアルゴリズムに基づいて、視聴者に好きそうなコンテンツをすすめ、こうしてあなたは切れ目なく動画を見続けることになる。注意力を引きつけ、それから注意力を奪う、これが人気ショート動画が人の注意力に及ぼす影響だ」と述べた。

ショート動画にのめり込んでしまったらどうすればいいか。徐州医科大学付属医院の神経内科主任で大学院指導教員の耿徳勤さんは、「見るのをやめること」と断言する。

ショート動画にのめりこんでいるかどうかをどうやって判断するか。耿さんは、「ショート動画に耽溺している時間が長くなったと思い、そこですぐにやめられるなら、のめり込んでいるとは言わない。反対に、やめるのが難しければ難しいほど、深くのめり込でいることになる」と述べた。

牟さんは、「ショート動画に過度に依存している人は、実はショート動画ではなく、その人自身に問題がある。毎日ショート動画を見る時間が長すぎるという人は、大体が暮らしの中で目標を持っていない。そういう人はたばこやアルコールの依存になりやすく、ギャンブル依存になりやすく、ショート動画という小さな誘惑にも溺れやすい。目標を持つ人は、そう簡単にショート動画に溺れることはない。ショート動画は魅力的だが、私たちは見ない選択をすることもできる。ショート動画を1つのツールととらえるべき、ショート動画が私たちをツールとし、コントロールするようなことは避けなければならない」と分析した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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