中国で進む若者の白酒離れ、低アルコール飲料が人気、対応に追われる老舗メーカー

Record China    2022年2月12日(土) 20時0分

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中国の若者の間でアルコール度数が強い白酒離れが急激に進み、果実酒などの低アルコール飲料が人気となっている。老舗の白酒メーカーも対応に追われている。写真は白酒。

中国の若者の間でアルコール度数が強い白酒離れが急激に進み、低アルコール飲料が人気となっている。「90後(1990年代生まれ)」の若者たちにとっては、果実酒などを飲んで「微醺(ほろ酔い)」を楽しむのが新しい文化となりつつあり、老舗の白酒メーカーも対応に追われている。

白酒は中国の代表的な酒で、コーリャン、トウモロコシ、甘藷(かんしょ)などを原料とした蒸留酒。日本では茅台(マオタイ)酒が有名だ。アルコール度数は50度以上が多く、65度も珍しくない。小さなグラスに50度以上の白酒を注ぎ、一杯ごとに「乾杯」と言ってグラスを重ね、文字通り一気に飲み干すのが伝統的な飲み方とされる。

AFP通信が引用した東方新報の記事によると、中国国家統計局の統計で白酒の生産量は2016年の1358万キロリットルをピークに減少に転じ、21年は715万キロリットルと5年間で半減近くになった。その分伸びているのがリキュール、カクテル、果実酒、ソーダ酒などの低アルコール飲料だ。

ある統計では、90後の若者で「白酒を飲む」という人はわずか5%。オヤジ同士で白酒を浴びるように飲むのでなく、女性も交えて低アルコール飲料をたしなむライフスタイルが広まっている。

低アルコール飲料の消費者は18~30歳(中国は18歳から飲酒できる)が70%を占め、半数以上が女性だ。中国で18~34歳の女性は3億人近くで高等教育を受けている割合が多く、消費力も旺盛だ。  

こうした若者や女性をターゲットにした低アルコール飲料ブランド「十点一刻」「貝瑞甜心」などが次々と登場。健康志向が強い18~30歳向けの「糖質ゼロの発泡酒」も発売されている。中国最大のオンラインモール「天猫」で販売されている低アルコール商品は5000種を超えている。

白酒離れの流れに老舗メーカーも危機感を強め、茅台酒を手がける中国最大手の白酒メーカー、貴州茅台酒グループは17年に低アルコールカクテル「悠蜜」を発売。ブルーベリーを原料とするリキュールや発酵酒を次々と開発した。同じく白酒の老舗、瀘州老窖はフルーツワイン会社を立ち上げ、江小白もワインと同程度のアルコール度数12度の青梅酒を発売している。

中国工業情報化部は1月10日、国内の消費財メーカーに対し、海外にも通用する「革新的製品」の開発を促すガイドライン案を提示した。具体例としては「若年向け低アルコール飲料」もリストアップされた。ビールの粗利益率が一般的に40%前後に比べ、低アルコール飲料は70%前後に上るというデータもあり、今後、中国で低アルコール業界の競争がさらに激しくなりそうだ。(編集/日向)

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