北方領土問題で「異例」の日本支持、米国の3つの意図とは?―華字メディア

Record China    2022年2月10日(木) 8時20分

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日本の華字メディア・日本華僑報網は9日、「米国はなぜ突如として日本の北方領土問題を支持したのか」と題する記事を掲載した。

日本の華字メディア・日本華僑報網は9日、「米国はなぜ突如として日本の北方領土問題を支持したのか」と題する記事を掲載した。

記事は、岸田文雄首相が「北方領土の日」に当たる2月7日に「北方領土返還要求全国大会」で行った演説は、基本的に安倍晋三政権の立場を踏襲するものだったと説明。一方で、「例年と異なったのは、米国が珍しく日露の領土問題で態度表明を行ったことだ」とし、ラーム・エマニュエル駐日米国大使がツイッターに動画を投稿して「米国は北方領土問題に関する日本の立場を支持し、日本が1950年代から係争中の4島の領有権を有していることを確認している」と強調したことを挙げた。

その上で、この発言の意味として、まず「米国は領有権問題での態度表明に乗じて日本を抱き込んだ」と指摘。「米国は現在、中露との関係が冷え込んでいるが、米国にとって尖閣問題よりも北方領土問題で日本を擁護するリスクの方が低い。米国は経済やコロナ対策、エネルギー問題など多くの点で中国の協力を必要としている一方、ロシアとはこれらの関係において深い関係にはない。米国が日本の領土問題で支持を表明すれば、日本側の感謝と引き換えに、米国のアジア太平洋地域における戦略にさらに協力させることができる」と読み解いた。

2点目には「日露関係にくさびを打ち込むため」との理由を挙げた。記事は、日露関係が低迷している根本的な原因は「日米同盟の制約にある」と指摘。一方で、「安倍政権時にこうした日露関係に一定の微妙な変化が見られ、日本の対ロシア関係が自主性が生まれ始めた。安倍氏はプーチン大統領と30回以上会っており、2014年のクリミア併合後の日本による対ロシア制裁は欧米諸国のそれと比べてはるかに少なかった」とし、「米国が日露間の最も敏感な領土問題で立場を表明することは、日露関係を離間させるものであることは間違いない」と論じた。

そして最後に、「ウクライナ問題で日本に足並みをそろえるよう迫る」意図もあったと指摘。日本の報道として「米国が日本政府に対し、ロシア軍がウクライナに侵攻した場合、ロシアに経済制裁を科すよう促したものの、日本政府は態度を保留した」と紹介した上で、「日本がロシアを過度に刺激することによって両国の領土問題の交渉が行き詰まることを望んでいないということを、米国はよく知っている。領土問題での支持と引き換えに対ロシア制裁での一致を図る何らかの取引があることも排除できない。あるいは、日本が米国に歩み寄らざるを得ない状況に追い込んだのかもしれない」との見方を示した。(翻訳・編集/北田

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