22日に中東外遊から帰国した韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領が、3日間の自宅隔離を終え、26日に出勤した。しかし文大統領の外遊は公務のため自主隔離は免除されており、具体的な理由が明かされない中、さまざまな憶測が広まっている。1月27日、韓国・朝鮮日報が報じた。

記事によると文大統領は15～22日までの8日間、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプトの3カ国を訪問し帰国。その後、23日から25日まで自宅で勤務を行った。ただ文大統領は、昨年に5回外遊した際は一度も自主隔離を行っていない。今回の中東外遊中は新型コロナウイルスのオミクロン株の流行が深刻であり、感染者数が連日過去最多記録を更新していたが、そのような状況は昨年も同じだったという。

このような中で大統領府は、今週予定されていた文大統領の新年記者会見も中止を決定。その理由としては「オミクロン株への対応に集中すべき時」「大統領選挙が差し迫る状況で、政治的中立を守るため」などが挙げられたが、会見の延期やオンライン開催という選択肢もある中、「納得がいかない」という声が多く上がっているという。

政治家の間では、「今回の外遊の随行メンバーの中で新型コロナウイルスの感染者が発生してたのではないか」といううわさも広まっているとのこと。もし感染者の発生により文大統領が自主隔離を行っていたとすれば、これを公表しない場合は問題となる可能性がある。最近韓国では新型コロナウイルス対応にあたる保健福祉部の職員27人の集団感染も明らかになっており、大統領府の関係者も「文大統領の隔離については国民にきちんと説明すべき」とし、「国民の不安や厳しい状況などを言い訳にして、具体的な理由を語らないのはおかしい」と語っているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「大統領本人が感染したか、もしくはただ休みたかったのか…。はっきり理由を言わないから疑ってしまう」「夫婦で海外旅行から帰ってきたから、ちょっと休みたいんでしょ」「国民の税金を使って遊んできたから何も言えないのでは？」「職務放棄までするんだね」「まあいなくても何の問題もないと思うけど」「国のための外交ではなく、監獄に入る前の最後の海外旅行だったということか」「3日間だけではなく、退任する日までずっと自主隔離していればいいのに。それが国と国民のため」など、厳しいコメントが相次いでいる。（翻訳・編集/丸山）