中国紙・環球時報のニュースサイトは18日、世界の富豪上位10人の資産総額が新型コロナウイルスのパンデミックの中で倍増したことが最新の報告書で分かったと報じた。

記事によると、報告書は、国際的なNGOのオックスファムが、世界経済フォーラム（WEF）のオンライン会議に合わせて発表したもの。世界の富豪上位10人の資産総額は、コロナ禍の2年間で7000億ドル（約80兆2800億円）から1兆5000億ドル（約172兆円）に増加した。パンデミック前14年間の富豪上位10人の資産増加額よりも多く、世界の貧困層31億人の資産総額の6倍に相当するという。

10人は、米電気自動車（EV）大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者（CEO）や、米小売大手アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏、米投資家ウォーレン・バフェット氏など。

マスク氏の資産はパンデミック発生後の20カ月間で11倍に増えて2940億ドル（約33兆7100億円）に達し、ベゾス氏を抜いて世界一の富豪となった。ベゾス氏の資産は67％増えて2030億ドル（約23兆2800億円）となった。

オックスファムは、世界では毎日2万1000人が、必要な医療を受けられなかったり、ジェンダー（性差）に基づく暴力にさらされたり、飢餓や気候変動に直面したりして命を落としていると指摘し、この不平等を「経済の暴力」と呼んでいる。（翻訳・編集/柳川）