北京冬季五輪の「バブル方式」、オミクロン株拡大で破裂の危機―海外メディア

Record China    2022年1月16日(日) 10時0分

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北京冬季五輪で中国政府は新型コロナ対策として「バブル方式」を徹底する方針だ。しかし、「オミクロン株」が隣の天津でも拡大。海外メディアは「バブル方式は破裂の危機」と報じた。写真は中国のボランティアたち

3週間後に迫った北京冬季五輪で中国政府は新型コロナ対策として東京夏季五輪同様、選手や関係者を外部と接触させない「バブル方式」を徹底する方針だ。しかし、感染力が強い新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が隣接する天津でも拡大。ロイター通信は「バブル方式は破裂の危機」と報じた。

北京の通勤圏でもある天津では8日に感染が確認された2人がオミクロン株と判明。11日までに濃厚接触者など約100人の感染が確認された。事態を重視した市当局は感染者がいる地域を封鎖した上、約1400万人の全市民を対象にPCR検査を急いでいる。

ロイター通信によると、2月4日に開幕する北京五輪では海外から2000人余りの選手が入国するほか、2万5000人に上る大会関係者は大半が外国からの入国となる。大会組織委は選手や関係者のうち、どの程度の人数が「バブル」内に入るのか公表していない。

大会が開かれる北京と河北省張家口市の規制は、昨夏の東京夏季五輪よりもはるかに厳しい。選手や大会関係者を国内居住者と物理的にバブル方式で厳重に隔て、海外からの渡航者は専用機を使って直接バブル内に入り、直接出て行く。

さらに大会参加者は専用機で北京入りする前に、複数回の検査で陰性を証明することが義務付けられる。ワクチンを接種していない参加者は到着後、3週間の隔離が必要で全員が毎日検査を受ける。大会組織委によると、昨年初めに海外から約2000人が参加して行ったテスト大会では選手の中で感染者数がわずかに出ただけで、中国政府のコロナ感染防止策の有効性が示されたという。

一方で、こうした検査を行ってもコロナが潜伏期間中であれば必ずしも感染を捕捉できない。大会組織委も海外から大量に人が押し寄せることを考えれば、ある程度の感染発生が予想されると認めている。

ロンドン大学の感染症専門家、アイリーン・ピーターソン教授はオミクロン株について「私は時々、短距離走者と呼んでいる。とにかく感染力が強く、感染速度が速い」と指摘。「検査で感染者を除くなら、水際での実施が不可欠だ」と強調した。

オタゴ大のマイケル・ベーカー教授によると、さまざまな国から人が訪れ、選手やスタッフが集まれば対応が難しく、感染力が強く、潜伏期間が短いオミクロン株の特質が、それに拍車を掛ける。ベーカー教授は「大会期間中に感染拡大を抑え込むのは難しく、大会参加者の間で感染が広がり、さらに地域へと拡散するリスクがある」と警鐘を鳴らした。(編集/日向)

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