「スーパーブレーン」登場!国家スピードスケート館がスマート会場に―中国

人民網日本語版    2022年1月3日(月) 6時0分

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数年の科学研究を経て、国家スピードスケート館が正式にスマート会場になった。

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数年の科学研究を経て、国家スピードスケート館(別称・アイスリボン)が正式にスマート会場になった。「スーパーブレーン」などの技術に基づき、会場はハードの運営・メンテナンス、サービス保証などの面における多くのテクノロジーで注目されている。新華社が伝えた。

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北京国家スピードスケート館公司副社長で、チーフエンジニアの李久林(リー・ジウリン)氏が26日、国家スピードスケート館内でスマート会場完成の関連状況について説明した。

■感覚を持ち、呼吸でき、記憶があり、思考する会場

北京国家スピードスケート館公司副社長で、チーフエンジニアの李久林氏によると、会場はプロジェクト建設段階においてBIM技術とロボット技術を使用することで、天井部分のケーブルネットルーフ、カーテンウォールシステム、製氷システムなどの建設の難題を解決し、ハード施設の竣工と使用開始を保証した。一方で、会場のソフト建設の重点であるスマートシステムの建設も予定通り進められている。建設者は近年、中国内外の最新の科学技術応用に長期間にわたり注目し、会場の「デジタルの基礎」を構築した。

李氏は、「科学研究を経て、現在のアイスリボンはすでに北京建院と中国科学院ソフトウェア研究所が共同開発したスーパーブレーンを配備している。36のシステム、10万件近くのリアルタイムデータと接続すると、感覚を持ち、呼吸でき、記憶があり、思考する会場になった」と述べた。

感覚を持つとは、会場には各種類のIoT(モノのインターネット)センサーが設置されており、複数のネットワーク方式により屋内外の温度、湿度、大気質、照度などの会場運営データをリアルタイムでキャッチする。

呼吸できるとは、屋根にある気象台のリアルタイムデータにより、会場は大気質に基づき自ら換気システムを起動し、屋外の日照の強弱に基づき自動的に電動サンシェードの開閉をするか、ホールの照明の点け消しをする。

記憶があるとは、スーパーブレーンは会場の各種運営指標を記録する。データ発掘・分析後、自ら会場の各空間の合理的な運営パラメータを打ち出す。人員の安全、健康、快適性を保証する前提で会場のエネルギー消費量を減らす。

思考するとは、スーパーブレーンは異なる競技シーン、競技の需要、観客数、防疫情勢に基づき、自動的に座席送風システム、製氷温度、会場除湿システム、屋根電動窓システム、防疫消毒システムをコントロールする。競技を保証しながら、観客が快適に観戦できるようにサービスを提供する。

■スマートブレーン、ミリ秒級の管理・制御でデータ安全を保証

李氏は、「スマート会場の完成後、建築面積が約8万平方メートルのアイスリボンは、操作しやすくアップデート・更新し続けられるスマートフォンのようになる」と述べた。

国家スピードスケート館地下機械室のパソコンには、会場のスーパーブレーンが映し出されていた。このプラットフォームシステムは会場の運営データと基礎情報をリアルタイムでモニタリングでき、運営コントロールとリスク管理を行っていた。

北京建院のサブチーフエンジニアの劉潔(リウ・ジエ)氏によると、このスーパーブレーンはミリ秒級のコントロールをサポートする。重要シミュレーションデータへの反応にかかる時間はわずか24ミリ秒で、5万件のデータをチェックする時間は0.82秒。同システムには「中国製のチップ」があり、すべて中国の国産技術に基づき作られ、独自の知的財産権を持つものだ。

劉氏は、「末端データバンクからすべてのデータインターフェースに至るまで、会場は全データの自動アップデートを実現し、ローカルエリアネットワーク内で大量のデータの収集、保存、管理、高速計算を単独で行い、外部のネットワークから完全に切り離される。これは会場のデータセキュリティーを最大限に保証し、会場運営の中核的な優位性になる」と説明した。

首都情報公司と北智建公司はスマートブレーンに基づき、会場の可視化運営・メンテナンスシステムと全域デジタルツインシステムを構築した。これにより会場の運営状況が分かりやすい形で会場管理者の目の前に示され、会場の運営状況をモニタリングした上で、方針を決定するのに役立つ。

観客ホールには、国家スピードスケート館デジタルツイン操作システムのディスプレーがあった。会場の公共警備、設備監視、エネルギー最適化、健康環境運営状況を直観的に見て取れる。設備監視を例にすると、冷水ユニットや換気ユニットなどの設備の開閉状態、季節モード、さらには熱交換器の入口と出口の水の温度までもがリアルタイムで表示される。

特に特筆すべきは、同システムがさらに周辺都市の情報をディスプレーに集積したことだ。これは、会場の管理者が都市レベルの運営状況を把握し、大型イベントの開催時に会場周辺の交通状況等の情報を検討・判断するのに役立つ。

李氏によると、会場運営の二酸化炭素(CO2)排出状況を正確に計算するため、北京理工大学と北京航空航天大学はさらに会場の「地上・空・宇宙一体化CO2検査システム」を構築した。会場内の60個のセパレート型センサー、会場外の車載赤外分光光度計、温室効果ガス探査衛星データインバース技術により、会場周辺地域のCO2排出のリアルタイムモニタリングを実現するとともに、会場自身のCO2排出データバンクを統合・構築する。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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