佐渡金山の世界文化遺産への登録推薦、韓国で反発強まる、軍艦島例に「厚顔無恥」と主要紙

Record Korea    2022年1月1日(土) 8時30分

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新潟県の佐渡金山をユネスコの世界文化遺産への登録推薦候補に選んだ日本政府に韓国内で反発が強まり、外交部は推薦撤回を要求。主要紙は長崎県・軍艦島を例に「厚顔無恥」などと批判した。写真は佐渡鉱山。

日本政府が新潟県の「佐渡島の金山」をユネスコの世界文化遺産への登録の推薦候補に選んだことに対し、韓国内で反発が強まっている。背景にあるのは長崎県・軍艦島と同様の太平洋戦争中の「朝鮮人労役」の歴史問題。外交部は推薦撤回を求め、主要紙は「厚顔無恥」などと批判した。

佐渡金山は江戸時代から金鉱で有名だった。その後、太平洋戦争の戦況が悪化した1943年以降、金だけでなく銅などの戦争物資を確保する鉱山として活用された。ハンギョレ新聞などによると、韓国行政安全部傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」の報告書には、1939年から1942年までに朝鮮人1200人が強制的に動員され、過酷な労役により脱出が相次ぎ、捕まると暴行されたと記録されている。

日本の文化庁の審議会が年末の28日、世界文化遺産への登録推薦を答申すると、外交部は直ちに「報道官論評」を発表し、「本人の意思に反した強制労働が行われた場所が世界遺産に登録されないよう断固として対応していく」などと表明。その後、在韓日本大使館公報文化院の中條一夫院長を呼び抗議した。

今回の推薦をめぐり、ハンギョレ新聞は社説で軍艦島の例を説明。「日本政府は2015年7月、軍艦島を含む『明治日本の産業革命遺産』23カ所を世界文化遺産に登録し、1940年代に朝鮮人が『その意思に反して』連れて来られ、『強制的に働かされた』ことがあり、犠牲者を記憶にとどめるためにインフォメーションセンターの設置などの措置をとると国際社会に約束した」と振り返った。

社説は「20年末にできた『産業遺産情報センター』は、反対に『朝鮮人に対する差別はなかった』などの歴史を歪曲(わいきょく)する内容であふれており、ユネスコは日本政府に約束を忠実に履行するよう求める決議文まで採択した」と指摘。「軍艦島の歴史歪曲を是正しないでいる日本が佐渡金山の文化遺産登録に乗り出したのは、国際社会に対する明白な挑戦だといえる」と糾弾した。

さらに「新潟県などは文化庁に提出した資料で、世界文化遺産の登録対象期間から日本が朝鮮半島を植民地支配していた期間を除いた」と言及。「強制動員の歴史を隠そうとする“小細工”にしか見えない」と論難した。

その上で「韓国政府は佐渡金山が世界遺産には不適切である理由と植民地時代の強制労働の歴史を国際社会に十分に知らせる外交を積極的に展開していかなければならない」と強調。「韓日関係がただでさえ悪化している状況のもとで、佐渡金山の登録をめぐり『第二の軍艦島問題』が起きるとなると、両国関係の改善はさらに遠ざかることになるということを日本政府は肝に銘じてほしい」と訴えた。(編集/日向)

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