今年も終わりに近づき、さまざまなランキングや総チェックの結果が発表されている。22日にはECプラットフォームの淘宝（タオバオ）が今年の特別なランキングとなる「2021年10大商品」を発表した。科技日報が伝えた。

しきりに検索されていた東京五輪金メダリストの楊倩（射撃）と同じデザインのアヒルのヘアアクセサリー、人気ドラマ「覚醒年代」の関連グッズ、「表情包（スタンプ）」で毎日見掛ける「俳優のウー・ジン（呉京）と同じデザインのジャージ」など、ネットで人気の話題商品が選ばれた。

中国商務部国際貿易経済協力研究院市場研究所の許英明（シュー・インミン）副所長は、「2021年の10大商品は普通の人々の日常的な衣食住・交通移動に関わるもので、この1年間の人々の暮らしをよく表しており、素晴らしい生活への憧れの気持ちが込められていると同時に、生活の中の『小さいが、確かな幸福（小確幸）』が戻ってくることへの人々の熱い期待を示してもいる」と述べた。

この10大商品は淘宝プラットフォームでの1年間の売り上げ、前年同期比増加率、SNSでの話題度などの総合的指標に基づき、消費者が投票し、メディアと専門家評価チームが話し合いと選考を重ねた末に、最も代表的な国民的商品として選ばれたものだ。

選考の過程では、候補になった商品の半分以上に明らかな「国産品」のラベルが貼られていたという。国産品に対する消費者の熱意は買い物かごの外にまであふれている。微博（ウェイボー）のコメント欄にも微信（WeChat）のグループにも、梅花マークの「中国」ロゴ入りジャージを着たウー・ジンのスタンプが登場し、今年最もよく利用されたスタンプになった。

この1年間、宇宙飛行と五輪・パラリンピックが人々の心に火をつけた。

中国人が開発した宇宙ステーションが稼働して、国民全体に宇宙ブームが巻き起こり、今年は宇宙イヤーにもなった。淘宝では、中国航天文創センター（CASCI）の淘宝公式店で販売された宇宙にメッセージを送るサービス、宇宙で育てる宇宙バラがどちらも数秒で完売した。宇宙ステーションのブロック遊びやロケットのプラモデルなど宇宙関連クリエイティブグッズの売り上げは前年同期の数十倍にもなった。

それぞれの時代にそれぞれの五輪があり、今の若者の間では「弾幕」の投稿、最人気検索ワード、有名人と同じデザインのものを購入、というのが「五輪を楽しむ三部作」になった。金メダリストの楊倩選手と同じデザインのアヒルのヘアアクセサリーは人気検索ワードにたびたび登場し、淘宝の人気商品にもなった。浙江省義烏市のヘアアクセサリー産業がフル稼働で生産にあたり、ピーク時には1秒あたりに6個が売れたという。

同じデザインのものを探すのはドラマ好きのネットユーザーの標準的な動きでもある。「覚醒年代」が放送されると、ほぼ毎日大手プラットフォームで熱心に検索されるようになった。「新青年」ロゴ入りのトートバッグや携帯電話ケースなどは一時品切れ状態だった。

この1年には、新型コロナウイルスワクチンの接種が進んだことから、接種しやすい肩を露出した服が人気になったほか、ブロックチェックやインターナショナル・クライン・ブルー（深い青色）などの要素も大人気だった。

男性の消費力は女性に及ばず、ペットにすら及ばないとよく冗談で言われていたが、今年は状況が変わった。10大商品のうち、キャンプ、釣り、サーフィンの装備を代表とする「新破産三兄弟」は男性の消費力向上の何よりもの証拠だ。

トレンドの牽引ということでは、今の若者の動きは目覚ましかった。上海のエレクトロニック・スポーツ（eスポーツ）プロチームのエドワードゲーミング（EDG）がゲームの世界大会で優勝したその晩、ネット全体でほぼ半数の人がさまざまな方法で優勝を祝福し、淘宝ではeスポーツ用のマウスやイス、さらにはゲーム用指サックなどが爆発的に売れたという。

消費期限間近の訳あり食品も若者の間で人気商品になった。21年には「反食品浪費法」が施行され、淘宝では400万人近い人がこうした商品を購入した。安くて安全、グリーンで環境にも優しいとして、消費期限間近の食品は「ガチ」のファンをつかみ、巨大な消費層が100億元（約1800億円）規模の新市場を生み出した。

情報分析プラットフォームの知微データのシニアデータアナリストの劉夕瑜さんは、「淘宝の2021年10大商品のうち、一部は注目の話題とシンクロし、その裏には社会のムードが映し出されている。例えば昨年の商品は新型コロナウイルス感染症の印象が強かったが、21年の10大商品には今年のネットユーザーらのポジティブで、楽観的で、自信あふれる心情・態度が反映されており、さらに勢いよく向上しようとするポジティブな感情がよく表れている」との見方を示した。（提供/人民網日本語版・編集/KS）