華字メディアが文春掲載の「戦狼批判」に反論、「頼まれてもないのに米国の代弁」

Record China    2021年12月18日(土) 21時20分

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「日本頭条」が文芸春秋に掲載された中国の「戦狼外交官」を批判する記事に反論する論説を発表した。同論説は、ウイグル族の状況も知らずに中国を批判するなどと論じた。写真は新疆ウイグル自治区の子どもの様子。

日本情報に特化した華字メディアの「日本頭条」は17日、文芸春秋に掲載された中国の「戦狼外交官」を批判する記事に反論する論説を発表した。論説中に筆者名は挙げなかったが、文芸春秋1月号に掲載された、ジャーナリストの安田峰俊氏による中国の薛剣大坂総領事のツイッターへの投稿を批判する記事を対象にしたものだ。

安田氏は、薛総領事による「『ハエがウンコに飛びつこうとする西側子分政治家』〔11・21〕(五輪ボイコットに言及した国民民主党の玉木雄一郎代表を指して)」など過激なツイートを複数紹介し、日本の外交関係者から「『接受国(=日本)の国民に嫌われないこと』は、職務上の最も基本的な常識」、「はっきり言って不快ですよ」などと批判の見方が出ていると紹介した。以下は「日本頭条」による反論の抄訳だ。

■利害対立はあるが、食い違いを「憎しみの原動力」にしてはならない

中国は日本の隣人であり、中国が自ら発展することで日本に競争という圧力がもたらされたのは事実だが、国と国の地理的関係や政治環境の違いをもって、競争の圧力を憎しみに転化する「原動力」にしては、絶対にならない。

(文芸春秋記事の)筆者は薛総領事に、「中国に好感を持つ日本人はわずか10%。これをどう思いますか」と質問した。このような記者は多い。これは「自分の子は隣のXさんが大嫌いだ」という問題と似ている。実際には親(の考えや姿勢)から出た悪印象だ。なぜ日本人が中国を好まないのかという問題は、日本のメディアや世論に影響する機関に投げかけるべきかもしれない。

別の問いかけもできる。今年年頭に中国の民衆の日本に対する好感度が45%だったのはなぜか。同じメディア関係者として私は、自分側の悪い結果について他人に質問する記者をとうてい理解できないことがある。この筆者による悪意に満ちた記事は、日本国民の中国に対する否定的な見方を促進する。

■中国におけるウイグル族の立場知らずに中国を批判

日本と中国の距離は航空機でわずか3、4時間だが、中国を理解している、あるいは中国に行ったことのある人は少ない。この文章の作者は大学生時代に中国の深セン大学との交換留学生になった経験という、中国とのわずかなつながりだけを、日本で書いた中国を中傷する多くの書籍の取材源にしているようだ。

日本は米国という強大かつあいまいなパートナーに従うしかないようだ。米国やそのアングロ・サクソンの同胞が中国の新疆、香港、チベットについての問題でいささか面白くないと考える時、日本の一部の人は楽しそうに記事を繰り返し書きつづける。米国が言い方を変えようと考え始めた時にも、その言い方を維持しつづける。

新疆に行ったりウイグル人と会ったことのある日本人はどれだけいるのだろう。少なくとも日本には大量のイスラム教徒がいるのに、イスラム教徒のために特設された飲食店は見たことがない。それに対して中国では、イスラム教徒用飲食店で、さまざまな民族の人が一緒に食事をしている光景を見ることができる。

米国など一部の国に「民族虐殺」の地とされる新疆で、2010年の人口調査では1017万1500人だった(ウイグル族の)人口は、2018年には1271万8400人になった。さらに古い時代の清朝期だった1908年の「新疆図志」によれば、当時のウイグル族人口はわずか157万人だった。

■日本でもアイヌの人々の「差別反対」の声聞こえる

中国人は昔から「自分の目で見たことを事実とする」ことで問題を解決する。最近になり日本からの中国新疆を訪問したいとの申請が700人分を超えた。中国政府は「行きたいところに行きなさい」との意見だ。さらに、自分の旅費が足りないなら助成を申請することもできる。

バイデン政権下の米国では、人種間の対立が深まっている。一方で、56の民族を抱える中国は、人種対立をほぼ完ぺきに解決した。中国に住むどの民族の人も、「自分は社会において他の民族より低い地位に立つのではないか」と心配した経験は、全くない。

このような状況は、日本のようなほぼ単一民族の国の人にとっては理解が難しいかもしれない。しかし、北海道のアイヌ民族の人々からは時おり、人種差別反対の声が聞こえてくる。

■「戦狼外交」是か非か、偽りの非難されても「優雅」必要なのか

中国からの反論を受けるたびに、日本の一部メディアは「戦狼外交」の言葉で反発する。「戦狼外交」の言い方で、中国の覇道の邪悪さを見せつけているようでもある。

しかし「新型コロナウイルスは中国が作った」、「虐殺をしている」、「台湾の独立を阻止した」などと吐き気がするほどの偽りで中国を非難する人がいた場合、優雅さこそが最善の反撃の武器なのだろうか。

欧米国家はかつての侵略成功の喜びに浸っていて、弱かった東洋の古国が真に台頭することを受け入れられないだけなのかもしれない。しかし悲しいことに、東洋の国の一員である日本が、何百年も何千年も付き合ってきた隣人に悪口を浴びせ、欧米国家よりさらに過激になることもいとわない。

日本が中国と同様の問題に直面したら、どうなるだろう。沖縄の人が琉球王国に戻りたいと主張したら、(反中国を叫ぶ)日本人はそのような人を「香港人権団体」と同じように論じるのだろうか。

■政府の官員が自国政府を擁護するのは当然

薛総領事は個人のツイッターのアカウントでいつも、中国文化や旅行、米国の反中政策に対する中国の態度を書き込んでいる。日本の一部の人やメディアが薛総領事の書き込みを「不快な発言」と思うならば、彼らは米国の動きをさらにしっかりと見る必要があるのではないか。特に在日米軍のために日本に2100億円の負担を求めている。彼らがツイッターでどんなことをつぶやいているのか、真剣に見なければならないのではないか。

薛総領事は中国政府が大阪に派遣した官員であり、自らのツイッターで自国を擁護することは誤ったことではない。またソーシャルメディアのプラットフォームなのだから、さまざまな発言の中で好まないものがあれば、見ないという選択をすることもできる。ただし識者には、薛総領事の「フォロワー」になることをお勧めする。

■日本に欠けているのは独立と自信、まるで米国に綱を引かれているよう

さらによい提案がある。日本の一部の人はもっと自分の意見を持つべきだ。米国が要求もしていないのに、米国の「口」になるべきではない。第二次世界大戦後、日本は経済発展では欠ける部分がなくなった。真に欠けているのは独立と自信だ。中国の外交戦略を適切に学ぶことで、日本人はより多くの民族的自信を得られるかもしれない。

ということで、本稿の冒頭で振れた文芸春秋記事の筆者に提案しよう。彼に言いたいことは「米国に縄を引かれているのではない。あなたは実際のところ、付き従う必要はないのだよ」だ。(翻訳・編集/如月隼人

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