RCEP発効で中国初の対日関税率引き下げ、国内産業に打撃となるか―中国メディア

人民網日本語版    2021年12月17日(金) 21時40分

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RCEPが来年1月1日に発効すると、中国は日本など9カ国に対して関税率の引き下げを実施することになる。写真は洋山港。

地域的な包括的経済連携(RCEP)が来年1月1日に発効すると、中国は日本、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナムの9カ国に対して関税率の引き下げを実施することになる。中国にはどんな影響があるか。中国初の日本に対する関税率引き下げであり、国内産業に打撃を与えるだろうか。

対外経済貿易大学の崔凡(ツイ・ファン)教授は、「RCEPは中国がこれまで調印したあらゆる自由貿易協定(FTA)と異なる。これまではほぼすべて二国間のFTAだったが、今回は15カ国の間の協定になり、これまでに調印された世界最大規模のFTAになり、東アジア経済一体化にとって、アジアのバリューチェーンの統合と最適化にとって、非常に大きなメリットがある。これらのエリアはもとより、RCEPの経済規模は世界の経済規模の約3分の1を占め、経済規模ということでは中国がRCEPのエコノミーの中で占める割合が約58%を占め、最大のエコノミーになる。そのため大きな意味においては、アジアのバリューチェーンを最適化することは、ある程度中国を中心とした地域のバリューチェーンを最適化することになる。中国にとっては、地域での競争力を、とりわけ世界での競争力を高める上で大きなメリットがあるだろう」と述べた。

日本に対する初の関税率引き下げは中国の産業にとって打撃となるだろうか。崔氏はこの疑問に対し、「まず、一方で中国が日本に対して関税率を引き下げると、最初の年は製品の24.9%がゼロ関税になるが、同時に日本も中国に対して関税率を引き下げるので、最初の年の日本の対中国減税のカバー範囲は55%に達して、利益のバランスが取れると言える。他方で、中国の関税率引き下げは長期的な措置であり、多くが今後10年以内に引き下げを完了することになっており、長いものでは20年以内というのもある。引き下げの影響は徐々に現れるだろう」との見方を示した。

将来に税率がさらに下がることはあるのだろうか。

崔氏によると、「中国は2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟した時の関税率15.3%を、WTOに対する約束を履行して2010年に9.8%まで引き下げ、WTOとの約束をしっかり果たした。その後さらに9.8%から7.4%に引き下げ、これは中国が主体的に行った引き下げだ。この措置の実施後は、関税率は基本的に中国の現在の経済発展レベルに釣り合うものになった。これと同時に、中国はFTAによる関税率引き下げを通じて、およそ50%の製品をFTAのゼロ関税の対象に組み込むことが可能になり、実質的に中国の関税水準は全体として引き下げ調整が続けられていると言える」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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