日本人との友情は終わった…そう思ったところに突然の電話、彼の言葉に私は声を詰まらせた―中国人留学生

Record China    2021年12月11日(土) 13時20分

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日本の華字メディア・日本華僑報は8日、日本で学んだ中国人留学生による手記を掲載した。

日本の華字メディア・日本華僑報は8日、日本で学んだ中国人留学生による手記を掲載した。以下はその概要。

「日本人は非情で悪どい…」。以前はこうした言葉をよく耳にした。私は中立的な立場だが口には出さない。歴史があるから。ここでは、私が日本で知り合った人生初の日本人の友人について書こうと思う。

この日本人の友人とは、私が留学中にアルバイトをしていた日本料理店の店長だ。自分はラッキーだったと思う。日本に初めて来た時、私の日本語レベルは基本的に「ゼロ」だった。居酒屋でのアルバイトを探すのさえ苦労した。言葉の壁で断られることばかりだった。

私がなぜ店長に采用されたのか、今でも分からない。面接に行った時に、基本的なあいさつ以外は何も分からなかったのをおぼろげに覚えているだけ。履歴書は、当時の住所と交通ルート以外、すべて中国語で書いていた。日本では失礼なことだ。「郷に入っては郷に従え」ができなかった。

しかし奇跡は起きた。「書けば読んでくれる」が実現したことで、彼は履歴書を3分ほど読んだ後、英会話はできるかと聞いてきた。私は英語で「少しできる」と答えた。今になって思えば、日本でのアルバイト面接で英語を使うなんて、彼自身も思っていなかっただろう。

こうして私たちは、最も簡単な日本語と英語で30分話し合った。面接が終わる間際に彼は日本語で多くの話をした。ほとんど理解できなかったが、まとめると私は翌日から出勤できるということだった。その瞬間、顔がほころんだのを自分でも感じていたが、彼も笑顔になり「明日から頑張って。日本語をしっかり勉強してね」と言ってくれた。

その日から出勤するたびに、店長は私に3~5つの日本語を教えてくれた。文化の違いもあり、私はミスを繰り返して彼を困らせた。しかし彼は私をクビにすることはなかった。ミスをするたびにすぐにフォローしてくれ、笑顔で名前を呼んでくれた。最初にミスをして赤面していたころから、たまにミスをして笑顔で「店長、助けて…」と呼ぶようになるまで、2年半の時間を一緒に過ごした。

忙しい時に他の留学生アルバイトのミスをきっかけに言い争うこともあったが、職場を離れての関係に影響を与えることはなかった。新型コロナウイルスが流行する中で日本の多くの飲食店が人員を削減していた時も、私の勤務時間を確保してくれた。私が他のアルバイトがないため生活費が足りないのではないかと心配して「お金を貸そうか」と言ってくれた。彼に助けられるたびに、私の日本人に対する認識は塗り替えられていった。

卒業が近づいている時に、彼は携帯電話のメッセージで「卒業の正確な時期を教えてください。みんなを集めて送別会を開きます。2年半の時間を共にしてくれたことに感謝します。これからも頑張ってください。あなたは友人です」と声をかけてくれた。以前は見慣れず、そして今では見慣れた日本語での祝福を目にして、心の中に何とも言えない、私にだけ分かる感情が込み上げてきた。

しかし、時間は止まってはくれず。店を離れる前に彼に小さなプレゼントを贈ると、彼ははやりのポーズでお礼を言ってくれた。お別れ会の後、私は就職し、その後も時々メッセージで連絡を取り合っていたが、会うことは少なくなった。

留学を終えた後、「日本人の友人」との友情も終わったと思っていた。しかし先日、中国にいる私に彼から電話がかかってきた。「今の住所を教えてください。あなたが好きだったフルーツアメやポテトチップス、チョコクッキー、食べたいものを送ります」。その瞬間、私は声を詰まらせた。(翻訳・編集/北田

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