中国各地で出生数がさらに減少か、「3人目」容認も出産意欲低く

Record China    2021年11月16日(火) 8時20分

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中国各地でこのほど発表されたデータから、出生人口が減少していることが改めて浮き彫りとなった。

中国各地でこのほど発表されたデータから、出生人口が減少していることが改めて浮き彫りとなった。中国メディアの第一財経が伝えた。

長年「一人っ子政策」を続けてきた中国は、2013年以降、段階的に産児制限を緩和。今年5月の中国共産党政治局会議で1組の夫婦に3人目の出産を認める方針を打ち出し、8月20日には「人口・計画出産法」を改正した。

記事によると、安徽省や河南省などでこのほど発表された出生人口に関するデータでは、いずれも前年同期比で減少しており、減少幅が1割を超えるケースもあったという。

例えば、9月に公表された「安徽省人口・計画出産条例に関する説明」によると、安徽省の出生人口は4年連続で減少しており、「人口情勢は極めて厳しい」状況にあるという。同省データベースの統計によると、2017~21年の同省の出生人口はそれぞれ98.4万人、86.5万人、76.6万人、64.5万人、53万人(予測)。減少率は10%超が続いており、今年はマイナス17.8%となる見通しだ。

また、河南省が発表した新生児健診のデータから、同省の第3四半期の出生人口は59.61万人と推計されるが、前年同期の新生児数は73.43万人だった。今年のデータは統計期間が8日間ほど少ないということだが、それでも大きく減少している。このほか、山東省膠州市では2021年1~9月に発行された出生証明書は4644部で、前年同期の5263部と比べて11.8%減となった。

中国の出生人口は1987年にピーク(2508万人)を迎えた後、91年には2300万人を割り、94年には2100万人を割り込んだ。そして、98年にはついに2000万人を切り、2020年には1200万人にまで減少した。

広東省人口発展研究院院長の董玉整(ドン・ユージョン)教授は、「出生人口が減少を続けているのには、さまざまな要因がある」と前置きした上で、「出産適齢期の女性の数が減少していることが根底にある」との考えを示した。董氏は、現在の中国の初婚年齢は27歳以上と法定結婚年齢(男性22歳、女性20歳)を大幅に上回っており、30歳を超えて出産する人も増えてきたと指摘。また、近年は不妊の人が増えてきていることも原因の一つに挙げた。

結婚・出産にかかる経済的な問題も出産意欲の低下に拍車をかけているようだ。山東省青島市や浙江省寧波市では、農村部でも出産への意欲が低いというデータが出ているという。董氏も、新型コロナウイルスにより夫婦で過ごす時間が増えた一方、生活水準や育児水準が下がったことで、出産へのモチベーションが弱まったとの見方を示した。

こうした状況に中国政府も対策を講じている。上述の改正版「人口・計画出産法」では、「国が財政、税、保険、教育、住宅、雇用などの支援措置を講じ、家庭の出産、養育、教育の負担を軽減する」と規定している。各地方政府でも産休・育児休暇の延長・増設が広がっており、黒竜江省、吉林省、安徽省は出産・育児補助制度の構築・実施を打ち出した。

また、四川省攀枝花市は今年7月28日に発表した「人的資源の集中促進に関する16条の政策措置」で、2人目以降の子どもを出産した家庭に対し、子どもが3歳になるまで毎月1人につき500元(約8900円)の育児手当を支給することを決定。育児手当を支給するのは中国で初めてという。(翻訳・編集/北田

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