恒大危機から見た中国経済モデルの問題点―仏メディア

Record China    2021年10月1日(金) 6時40分

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29日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国恒大集団の債務危機から見る中国経済モデルの問題点について、フランスの大学の専門家による見解を紹介する記事を掲載した。写真は山西省の恒大不動産。

2021年9月29日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国の不動産大手・恒大集団債務危機から見る中国経済モデルの問題点について、フランスの大学の専門家による見解を紹介する記事を掲載した。

記事は、フランスのCYセルジー・パリ大学教授の張倫(ジャン・ルン)氏の話を紹介。張氏は「総じて、恒大集団の危機は偶然ではなく、構造的な問題によるもの。そして恒大集団だけではなく、中国の大手企業に深刻な問題が発生し始めている。この数十年におよぶ中国の発展において、不動産が非常に重要な役割を果たしてきた。今なお不動産業の経済全体に対する貢献度は25〜26%に達すると見込まれ、中国政府の収入のうち30〜40%は不動産に関連していて、地方政府は特に不動産への依存度が高い。このような経済構造の中で不動産に問題が発生すれば、中国経済全体へのダメージは相当大きなものになる」と語った。

また、中国の経済成長を支えるパーツの一つである投資のうち、30〜50%は不動産に関係するものであるほか、中国の各家庭が持つ財産の75%が不動産関連であり、このような状況は非合理的だと指摘。「これは単なる経済問題ではなく、政治的な問題だ」としている。

そして、不動産バブルの問題に対し、中国政府もはっきりと危険性を認識しており、ここ数年では新たな経済構造、ハイテク経済などの発展モデルに置き換える試みを進めていると説明。そのプロセスは巨大なリスクに満ちており、恒大集団の危機もこのような歴史的な転換点の中で出現したものだと解説した。

その上で、中国政府が経済発展のモデルチェンジを進める上で、政府による経済への干渉や管理のスタイルを現代化し、法律や財産権を重視する方向へ舵を取らなければならないと指摘。「経済全体の発展に向けた戦略的な思考、根本的な調整があってこそ、この国や民族の未来は明るい」と述べた。

その一方で、近年中国は政治による経済への介入をますます強めており、今後しばらくは方針を転換しないだろうと予測。「これでは中国の経済発展を阻害することになる」とした。そして、恒大集団の危機に対して政府はあらゆる力を用いて一時的な安定を図り、経済や社会全体の崩壊を防ぐだろうとする一方、「強権的な方法では根本的な解決が不可能であるばかりでなく、ますます多くの危機を生じさせることになる」と指摘。「中国の指導者が先見性を持ち、構造的な問題を根本的に解決できることを望む他はないが、現在の状態を見るに楽観視することはできない」と論じている。(翻訳・編集/川尻

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