規模拡大続くも、課題も多く抱える教員の人材育成―中国

人民網日本語版    2021年9月10日(金) 9時50分

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東北師範大学が編さんした報告書「新時代の中国における教員の人材育成:成果と課題、やり方」が5日、吉林省長春市で発表された。写真は中国の学校。

東北師範大学が編さんした報告書「新時代の中国における教員の人材育成:成果と課題、やり方」が5日、吉林省長春市で発表された。報告は、2010年から2020年にかけて、中国における教員はその規模を拡大させ続けてきたものの、地域によってその発展はアンバランスで、都市・農村間には著しい格差があり、構造バランスには最適化が必要といったさまざまな課題に依然として直面している現状を明らかにした。中国新聞網が伝えた。

報告の概要は次の通り。

〇2010年時点で1065万8700人だった中国普通小・中・高校の専任教員の総数は、2020年には1222万8100人まで増加し、教職員総数の91.13%を占めている。専任教員の年平均増加率は教職員総数の増加率を上回っている。

〇中国普通小・中・高校の教員は、目に見えて高学歴化している。小学校教員のうち、学部卒以上の学歴を有する人の割合の増加スピードが最も速く、2010年時点での23.71%から2020年には66.00%に上昇。普通中学・高校専任教員のうち、大学院卒以上の学歴を有する人は、2010年時点ではわずか5万5200人だったが、2020年にはすでに22万1700人まで増加した。

〇中国西部エリアにおける教員の人材育成が著しく強化された。2020年の時点で、西部エリアにおける小学専任教員数は185万2200人、中学校専任教員数は107万6300人、普通高校専任教員数は54万6300人にそれぞれ達し、2010年に比べ累計27万2000人増加した。

しかし同時に、中国における教員の人材育成は課題にも直面している。

〇発展状況を地域別でみてみると、中部エリアの教員チームは脆弱であり、生徒対教師の比率は東部エリアや西部エリアよりかなり高く、とりわけ中学では、生徒対教師の比率が毎年上昇する傾向を呈している。また、中部エリアの小・中・高校の代理教員の数は、東部エリアや西部エリアよりかなり多い。

〇中国東北エリアでは、教員の流失が深刻で、過去10年間で7万7100人減少した。東北エリアの教員数減少は、主に、小学校と中学校に見られる。東北師範大学教師教育研究院の李広(リー・グアン)執行院長は、「このような現象の背後には、複雑な原因があるが、それらの原因を突き詰めることは可能だ。この10年間、東北地方では学生数もかなり減少しており、延べ222万2200万人減っている」と指摘している。

〇都市と農村の格差については、農村部では、教員数がまだ現実的な需要を満たしていない上、優秀な教員が不足している。特に、農村の小規模な学校では教員の質とレベルが脆弱。李広執行院長は、「しかしこの10年間において、農村部における高級レベルの教員の増加スピードは都市部を上回っている。このことから、農村部に力を入れるという国家の関連政策が効果を発揮していることが見てとれる」としている。

〇中国における教員人材には、教員の高齢化現象が日ごとに顕著化していること、小学校教員の男女比がかなりアンバランスであること、教育学を専門とする教員の割合が年々低下していることなど、その構造バランスには更なる最適化が必要な問題が、立ちはだかっている。

李広執行院長は、「これらのアンバランス問題は、教育の発展そのものに深刻な影響を及ぼし得ることから、十分に重視し、早めに関連計画をしっかりと策定する必要がある」と強調している。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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