<日中シンポ>駐日中国大使、「経済安全保障」を批判、「自由貿易に反す、共通利益拡大を」

Record China    2021年8月2日(月) 16時20分

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国際アジア共同体学会が主催する日中シンポジウムがこのほど東京の国会議員会館で開催され、冒頭、孔鉉佑駐日中国大使が基調講演。「共通利益を拡大し、ウィンウィンを目指さなければならない」と呼びかけた。

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国際アジア共同体学会が主催する日中シンポジウムがこのほど東京の国会議員会館で開催され、鳩山由紀夫元首相、西原春雄元早大総長らが出席した。冒頭、孔鉉佑駐日中国大使が基調講演し、日本では最近「経済安全保障」の概念を拡大化し、米国と手を組んで中国のハイテク企業に対する排他的、差別的措置、中国への供給停止、「デカップリング」や「脱中国」を主張する人がいる、と指摘。「これはオープンな態度ではなく、日本が長年堅持してきた市場経済と自由貿易の原則にも反している」と批判した。一方で「日本の経済界はそれに惑わされず、政治的要因に影響されないように中国市場への進出拡大を主張しており、日本の多数の地方自治体も対中協力を重視し、民間も交流に強い意欲を持っている」と評価した上で、「今後とも協力という主要テーマをしっかりと把握し、相互協力で共通利益を拡大し続け、ウィンウィンを目指さなければならない」と呼びかけた。

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孔大使の講演要旨は次の通り。

中国は日本が安定した対中関係を発展させるという前向きな姿勢表明を実際の行動に移すことを望んでいる。日本が中国の発展を客観的に理性的に受け止め、より前向きな対中政策を取ることを希望する。中日双方は協力の主旋律をしっかりと把握し、協力の中で共同の利益を持続的に開拓し、互恵・ウィンウィンを実現しなければならない。

最近、日本の台湾地区、新疆維吾爾(ウイグル)自治区、香港地区に関するネガティブな動きが突出しており、中日関係を深刻に妨害するものとなっている。日本に対して、約束をしっかりと守り、中国の核心的利益を損なうことを止めるよう求めたい。日本がより広い視野と広い心で、中国と手を取り合って協力し、責任を持って役割を引き受け、地域の国家と国際社会の期待に積極的に応えることを希望する。日本が対中関係、対米関係をバランスよく適切に処理し、中米日関係の良好なインタラクティビティを推進するために建設的な役割を果たすことを望んでいる。

世界の大きな変化は、人類が盛衰を共にする運命共同体であること、そして連帯と協力がこれまでどんな時よりも必要であることを証明している。我々は、人類運命共同体を構築する基盤と出発点は、アジアにあると考える。

現在、アジアは全般として安定しており、比較的早い経済成長を遂げ、世界で最もダイナミックでポテンシャルのある地域となっているが、同時に地政学的な駆け引きの激化、安全保障上の緊張、コロナのリバウンドなどの課題にも直面している。

冷戦終結後の歴史を振り返ると、アジアが何十年にもわたって平和を維持し、飛躍的な発展を成し遂げてきた大きな理由の一つは、イデオロギーや国益の相違を乗り越え、対話と協力によって調和と共存の道を探求してきたことにある。このような歴史的な経験は、今の時代においては一層貴重で、守り続ける価値と意義がある。

第一は、相互尊重と信頼という共存の道を堅持すること。多様性は世界が発展する上で客観的な法則で、アジア文明の基本的特徴である。中国は、相互尊重、公平・正義、協力ウィンウィンに基づく新型国際関係を構築することに取り組み、親切、誠実、互恵、寛容の周辺外交理念を提唱し、実践している。我々は、各国が相互尊重と相互信頼でもって対等に接し、冷戦思考やゼロサムゲームを放棄すべきだと考える。いわゆる「新冷戦」やイデオロギーの対立、他国を威圧して内政に干渉する行為は、どんなに見かけがいい理由があっても、覇権主義や強権政治の本質を隠すことはできず、各国の相互信頼を損ない、ひいては紛争や不穏を招くだけです。同様の地政学的な悲劇は近年、世界各地で繰り広げられており、複雑な地政学的環境に囲まれ、戦争の苦難に見舞われてきたアジア諸国は、この教訓をしっかりと汲み取る必要がある。

第二は、開放と統合という発展の道を堅持すること。開放性は発展・進歩への道であり、「アジア経済の奇跡」の秘訣でもあります。中国は、共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う原則で「一帯一路」の質の高い建設を推進し、ハイスタンダードで、民生改善に寄与し、持続可能な目標の達成に努めている。国際社会で自由貿易体制を堅持し、開かれた世界経済を構築することを提唱する。さらに、デジタル経済を力強く発展させ、新しい技術分野での協力を拡大し、イノベーションの成果が各国のより多くの人々に恩恵をもたらすようにしなければならない。壁を作り、デカップリングすることは、科学技術と開発の格差を広げ、地域のサプライチェーンを危険にさらし、アジアの競争力を弱めるだけで、自分のためにも他人のためにもなりません。

第三は、多国間主義という協調の道を堅持すること。ここ数年、国際秩序は一国主義によって大きな影響を受けてきたが、多国間主義は依然人心が赴く正しい方向です。中国は真の多国間主義を提唱し、国連を中核とする国際体系と国際法を基礎とする国際秩序を擁護し、共通、包括、協力、持続可能な新しい安全観を提唱している。多国間主義の旗を掲げながら、実はイデオロギーに基づいて線を引き、「排他的グループ」と集団的対立を作り出すことに我々は断固反対する。このような「ニセ多国間主義」は世界を分裂させ、アジアを分断し、アジア諸国の平和的発展の環境を損ない、せっかくの地域統合の成果を台無しにするだけで、警戒しなければならない。

第四は、同じ船に乗る考えで助け合いの道を堅持すること。困ったときは助け合うことは、アジア文明の共通の価値観である。今はアジアを含む世界全体のコロナ感染状況は依然深刻なものです。中国は人類衛生・健康共同体という理念を掲げ、自身のコロナ対策をしっかり行う上で、世界および地域のコロナ対策にモノ、技術、経験など多くの支援を行い、100以上の国に合計7億回分以上のワクチンを提供しています。中国は科学的、専門的、真剣かつ責任ある態度で、率先してWHOに協力し、コロナ発生源をめぐる世界的な調査に取り組んでいる。第一段階の調査結果は国際社会に広く承認、尊重されている。人類の共通の敵であるウイルスに対し、団結と協力でしか打ち勝てません。災いを他人に押し付け、感染症に汚名を着せ、ウイルスにラベルを付け、発生源調査を政治化し、「政治ウイルス」を拡散することは、国際社会を分断させ、人々の尊い命という高い代償を今まで以上に払わせることになるだけだ。

中国と日本はともにアジアの重要な国として、アジアの平和と安定、そして繁栄を守る重大な責任を共有している。中日関係が健全かつ安定的に発展することは、両国の基本的利益で、地域諸国の共通の期待でもあります。現在、中日関係は複雑な状況に直面しており、いわば岐路と試練に立たされている。中国側は常に善意と誠意でもって対日関係を発展させており、日本側にも、安定した対中関係を構築するという前向きな発言を実際の行動に移し、具体的な政策に反映させていただきたい。中日関係の真の安定を実現するためには、双方がいくつかの重要な問題を真剣に考える必要がある。

まず、中国は日本にとって果たして脅威なのかどうか?日本では、中国の発展を日本への挑戦や脅威と描き、イデオロギーの偏見や誤解に基づいて嫌中、反中感情を煽る勢力がある。中日関係の長足の発展、それが両国民にもたらした大きな利益を、誰もが否定できない。中国は14年連続で日本の最大の貿易相手国となり、今年上半期の二国間貿易は前年同期比23.7%増の1,813億米ドル、輸出入ともに全体の2割以上を占めており、通年では過去最高を更新する見込みです。日本企業は中国で年間5,000億ドルの売上があります。コロナ前は毎年、日本を訪れる中国人観光客は1,000万人近く、訪日外国人の30%を占め、消費額では40%以上を占めています。このように利益が深く融合し、交流が密切な両国は、パートナーにならない理由がどこにあるでしょうか。互いに協力パートナーであり、脅威とはならないことが双方の政治的コンセンサスで、中国は今後も日本側とともに実行していきたいと考える。日本側は、正しい中国観を確立し、中国の発展を客観かつ理性的に捉え、より積極的な対中政策を実行していくべきだ。

2つ目は、中日は競争すべきか、それとも協力すべきか?中国の発展に伴い、中日協力のパイはどんどん大きくなる一方で、競争が表面化する分野もあります。競争をなくすことはできないし、断る必要もない。ただそれは公正な競争、健全な競争、開かれた競争、そしてお互いを促進し、互いの成功を達成するのに役立つような競争でなければならない。中日間の競争や対立を意図的に誇張し、経済・貿易問題を政治化して、双方の互恵協力を妨害、破壊するやり方に警戒しなければならない。

特に日本では最近、「経済安全保障」の概念を拡大化し、米国と手を組んで中国のハイテク企業に対する排他的、差別的措置、中国への供給停止、「デカップリング」や「脱中国」を主張する人がいるようだが、これはオープンな態度ではなく、日本が長年堅持してきた市場経済と自由貿易の原則にも反している。日本の経済界はそれに惑わされず、政治的要因に影響されないように中国市場への進出拡大を主張しており、日本の多数の地方自治体も対中協力を重視し、民間も交流に強い意欲を持っていることに留意すべきだ。今後とも協力というメインテーマをしっかりと把握し、協力でもって共通利益を拡大し続け、ウィンウィンを目指さなければならない。

3つ目は、中日は矛盾や食い違いにどう対処すべきか?中日は近隣として、矛盾や食い違いがあるのは当たり前だ。要は、双方がそれを適切にマネージし、問題がエスカレートし、両国関係の大局を妨害しないようにすべきである。国交正常化以降、中日間の4つの政治文書が台湾問題を含む重大問題に対処するルールを定め、内政不干渉など重要な原則を確認しました。また、近年双方は海に関する問題などの敏感問題を適切に処理するため、新たに重要な合意もある。歴史が繰り返し証明したように、双方がこれらのルールや原則に則って行動する限り、中日関係は安定して前進でき、そうでなければ混乱が生じてしまう。

このところ、台湾、新疆、香港問題において日本側の消極的な動向が目立ち、中日関係に深刻な支障をきたしていることに対し、我々は日本側に厳正な立場を表明した。米国や西側の一部の人々は、民主主義や人権の名目で、これらの問題を政治的に操作し、本当は中国の発展を封じ込めるのを狙っています。もし彼らが真に台湾海峡の平和に関心があるのであれば、台湾問題の核心は民進党当局が頑なに分離路線を追求し、両岸の対立を煽りたてることに気づくべきです。もし真に香港の繁栄と安定に関心があるのであれば、香港が混沌から安定回復し、更に繁栄することを肯定すべきで、香港の将来性を中傷するはずがありません。

もし彼らが真に新疆の人権に関心があるのであれば、新疆がテロの脅威から脱却し、各民族が団結し、社会が安定し、かつてないよい発展段階にあることに目を向けるべきで、「ジェノサイド」という世紀の嘘をでっち上げるはずがありません。中国の近い隣国である日本には、約束を守り、せめて中国の内政を尊重し、中国の核心的利益を損なうことをやめ、中日関係にさらなるダメージを与えないことを望む。

4つ目は、中日はどのような責任を共有すべきか?中日は積極的に国際責任を果たし、地域と世界の発展のために然るべき貢献する必要がある。これは、両国指導者が重ねて確認している政治的合意で、新しい時代に相応しい中日関係を構築する上であるべき姿である。少数の国が決めたいわゆる「ルール」を一方的に中国に押し付け、受け入れないと無責任だとレッテルを貼るような行為は受け入れられない。多国間の場が両国対立する競技場ではなく、協力のステージになるべきだ。コロナ対策の国際協力や世界経済回復の後押し、気候変動やテロリズムなどの地球規模の課題への対応、さらには地域協力の推進や地域の課題の解決など、中日ができること、すべきことはたくさんある。日本が貴重な精力を不毛な消耗に使うことなく、より開かれた視野と胸襟で中国と手を携え、責任感をもって地域諸国や国際社会の期待に積極的に応えていくことを期待したい。

5つ目は、中米の駆け引きで日本はどうすべきか?これは日本各界が注目する焦点だと思う。中国は米国との「新冷戦」を求めず、米国に取って代わるつもりも、ましてやもうひとつの米国になるつもりもない。逆に米国の一部の人が、中国を「仮想敵」として扱い、中国の近代化プロセスを妨げ、断ち切ろうとしている。中国の道や体制を変え、中国国民のよりよい生活を求める権利を奪おうとして、中国の発展を抑制することさえできれば、米国が窮地から脱し、覇権を維持できるという幻想をもっているのが現実だ。

米国の新政権は、前政権の極めて誤った対中政策をおおむね継続しており、「強者の立場から」中国に対処すると放言しているが、中国は断固として受け入れない。中米関係の方向性についての我々の見解は非常に明確です。それは、体制や文化、発展段階の異なる2つの大国が平和的に共存する方法を、対話を通じて見出すことだ。米国側は、冷戦と覇権主義的な考え方を捨て、理性で実務的な対中政策に戻り、中国と相互尊重し、平等に付き合うことを学び、今日の世界で最も重要な二国間関係である中米関係を正しい軌道に戻すよう共同で努力していかなければならない。

日本は中国の近隣国で、米国の同盟国だ。中国、米国との関係を対処することは、日本が避けられない地政学的な現実で、日本の戦略的知恵と先見性が試される。中国側は、日本に中米の間でどちらかを選ぶように求めないし、日米が正常な関係を発展するのを妨げるつもりもないが、日米同盟も中国の利益を害してはならない。覇権を維持するという米国の私利私欲のために、中日関係を犠牲にすることが日本の根本的、長期的な利益になるのか、真剣に考える必要がある。

対米関係が日本外交のすべてではない、日米には同盟関係がありながら、中日にも平和友好条約があり、日本側にはそれを履行する義務もあるのです。日本が戦略的自主性を維持し、中国および米国との関係をバランスよく、適切に処理し、中米日の前向きなインタラクションを促進するために建設的な役割を果たすことを期待している。

来年中日国交正常化50周年を迎える。50周年は一里塚であると同時に、新たな出発点でもある。双方は、中日国交正常化の初心を温め、半世紀にわたり中日関係が波風をともにしながら歩んできた道を振り返り、より堅実で強靭性のある、成熟して安定した中日関係を構築し、両国民、地域そして世界により大きな利益をもたらすべきだ。(八牧浩行

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