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「元党首が中国共産党創立100周年に祝電」から見えてくる国民党の“苦境”――台湾

Record China    2021年7月4日(日) 12時0分

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台湾では、国民党主席(党首)経験者の連戦、洪秀柱の両氏、および親民党の宋楚瑜主席が1日、中国共産党に創立100周年の祝電を送った。写真は式典を行うために飾り付けが施された天安門広場の一角。

台湾では、国民党主席(党首)経験者の連戦、洪秀柱の両氏、および親民党の宋楚瑜主席が1日、中国共産党に対して創立100周年の祝電を送った。台湾では批判の声も多く出た。ドイツメディアのドイチェ・ベレは、国民党の「長老」が祝電を送ったことは「失策」だったとの見方を紹介した。

中国側発表によれば、連氏の祝電には「中国共産党が創立されてから100年、神の州たる大陸を建設して72年。中華民族の復興のプロセスは、5000年のピークに達した」と論じた上で、(台湾海峡の)両岸関係の平和的発展を願い「全ての中華の子が力を合わせ、わが民族の事業のために新たな力を出そう」などと書かれていたという。

洪氏の電文には「中華民族の偉大なる復興は歴史の必然です。両岸の融合が促進され、心を一つにして国家統一の完成という大業に共に尽力し、国家が富強になることと民族の復興、人々の幸福という中国の夢を共に築くことを心から望みます」と書かれていたという。

過去に、中国国民党が中国共産党を「祝賀」したことはない。ただし、2017年5月に呉敦義氏が国民党主席に当選した際には、中国共産党側は習近平総書記の名義で祝電を送った。呉氏はただちに感謝の文章を発表した。同年10月に習氏の中国共産党総書記再任が決まった際には、呉氏が祝電を寄せた。

中国共産党創立100周年に際して、国民党上層部では党として祝電を送るべきとの意見も出たが、採用されなかった。国民党の江啓臣主席は、連・洪両氏は個人として祝賀したのであり「国民党自体に共産党を祝賀する慣例はない」と説明した。江主席は、連氏であれ洪氏であれ、現在の両岸関係が良好ではないことを鑑み、「個人の力」で両岸関係を改善したいと願って祝賀したと信じていると論じた上で「両氏は過去の党主席在任時、いずれも個人の身分としても祝電を送ったことはない」と指摘した。

記事によると台湾では、国民党長老が祝電を送ったことで「国民党が両岸問題について、立ち位置が不明瞭ということを改めて印象付けることになった」との見方が出た。台湾東海大学政治学部の張峻豪教授は、「国民党の長老と現任の主席の発言の不一致は、国民党の政治戦略上の立場をとても面倒なものにした」「過去は強い反共、現在は強い親共、両岸関係についてははっきり説こうとしない。これでは打開は難しい」などと述べた。

張教授はさらに「国民党は全世界の中で、共産党と競い合った歴史が最も長い政党だ。国民党は共産党を理解していると台湾人に思われるようになってはいない。党内でも両岸関係についての共通認識が形成されていないようでは、民心をつかむことはできない。両岸関係の処理について、台湾人を納得させることはできない」とも述べたという。(翻訳・編集/如月隼人

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