新型コロナ、アジアで続く「負の連鎖」、今度はマレーシアで感染急拡大、1日から都市封鎖

Record China    2021年6月5日(土) 6時20分

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マレーシアで新型コロナが急拡大。政府は1日から2週間、全国で都市封鎖に踏み切った。日常が戻りつつある欧米とは対照的にアジアでは「負の連鎖」が続いている。マレーシアの首都クアラルンプ―ル

マレーシアで新型コロナウイルス感染症が急拡大している。人口当たりの新規感染者数は5月末、インドを超えた。事態を重視した政府は1日から2週間、全国で経済や社会活動を停止するロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。ワクチン接種が進み、日常が戻りつつある欧米とは対照的にアジアでは「負の連鎖」が続いている。

多くの海外メディアが引用する米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、マレーシアの累計感染者数は1日現在、57万9462人。感染者が急増した結果、人口100万人当たりの7日間の平均新規感染者数は5月26日の時点で211人となり、インドの165人を大きく上回る深刻な状況となった。累計死者数は人口3200万人に対し約2800人だが、5月だけでその40%以上を占めている。

AFP通信はイスラム教徒が大多数を占めるマレーシアで、変異株に加えて感染拡大の要因となったのは「5月12日に終わった断食月ラマダン(Ramadan)と、その終わりを祝う大祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」期間中の集まりだ」と報道。「こうした集まりでは新型コロナ対策の規則が守られないことが多い」とも伝えた。

ロックダウンについて、マレーシア政府は当初、経済へのダメージが大きいことから否定的な姿勢を示していた。同国では昨年3月から5月にかけ、事実上の「ロックダウン」となる厳しい感染拡大防止策が講じられた結果、4~6月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期比で17.2%減少するなど経済に深刻な影響が出た。

ムヒディン首相は5月23日の地元メディアとのインタビューで「都市封鎖を実施すればマレーシア経済に深刻な影響を与え、経済破綻に陥る可能性もあり、財政負担も膨らむ」と述べていたが、感染は加速する一方。首相府は5日後の28日、声明を出し6月1日から14日までの2週間、全土が「完全なロックダウン」に入ると発表した。ムヒディン首相は声明で医療が圧迫されており、「より攻撃的で強い感染力を持つ変異株の存在も判断の決め手だった」として、国民に協力を求めた。

ロックダウンにより、スーパーや銀行といった生活に最低限必要な業種や一部の製造業を除いて経済活動が禁止される。人々の外出は生活必需品の買い出しや通院などを除いて認められない。ほとんどの学校も閉鎖される。

首相府によると、2週間のロックダウンによる新規感染者数の減少具合など見て、社会・経済活動の規制を一部緩和する第2段階への移行を検討。その後、第2段階の規制を4週間継続し、状況が改善すればさらに規制緩和を広げて操業可能な業種を拡大する方針という。(編集/日向)

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