人民網日本語版 2021年5月27日(木) 16時50分
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中国で仮想通貨の監督管理が強化されている。
「底値で買おうと思っていたら、まさか差し押さえに遭うとは!」。いくつかの「仮想通貨投機」でつながるチャットグループの中で、劉均さん(仮名)はここ数日間、一般投資家が暴落に巻き込まれたところをその目で見てきた。個人メディアを運営する劉さんは、長らく仮想通貨市場に注目し、仕事の合間に一部の資金を投入して「仮想通貨投資」を行ってきたが、今の市場にはかつての引き寄せられるようなムードはなく、うそと価値のない仮想通貨ばかりだという。中国青年報が伝えた。
23日夜、仮想通貨はまたもや一斉に暴落し、そのうちビットコインの下げ幅は一時16%を超え、ライトコインとイーサリアムも大きく値下がりした。1カ月前、ビットコインは1枚あたり6万ドル余りだったが、あっという間に3万ドル近くまで値下がりした。前回の暴落からまだ数日しかたっていない。
数日前の19日、仮想通貨市場はほぼ全面的に暴落し、ビットコインは1日で最大30%以上値下がりし、一時は3万ドルを割り込んだ。今年に入ってから急速に値上がりしていたドージコインも1日で55%近く値下がりし、バイナンス、フォビ、OKExの3大取引所が発行するコインも40%以上下落した。こうして大量の投資家が「破綻」し、損失額は460億ドルを超えた。
監督管理政策がかつてないほど厳格になったことが仮想通貨の全面的な下落を招いた重要な原因だ。中国インターネット金融協会、中国銀行業協会、中国決済清算協会は18日、仮想通貨取引の投機リスクを予防するための公告を共同で発表した。21日には、国務院金融安定発展委員会がビットコインのマイニングと取り引きを取り締まることを明確に打ち出した。
「彼の一言でコイン価格の動きが左右される」
仮想通貨の世界では、ビットコインとイーサリウムの価値が広く認められ、市場価値でも流通性でも上位に並び、その後を各種の小規模コインが追いかけていた。そこへ今年初め、ドージコインが突如飛躍し、かつてプログラマーの笑い話だったこの小規模コインは、それ以来ずっと大幅な価格変動もなく安定した様子を見せていた。
しかし転機が訪れた。2月初め、テスラモーターズの創業者のイーロン・マスク氏がSNSで「ドージコインを支える」とたびたび発信すると、価格は60%も暴騰した。ドージコインは年初以来、たびたび最高値を更新し、数カ月間の上昇幅は200倍以上になり、時価総額も一時は約920億ドルに達した。
ドージコインの急上昇に刺激されて、仮想通貨界の人々は多くの「イノベーション」を生み出し、柴犬コイン、ピギーコイン、ピカチュウコイン、タートルコインなどが登場し、仮想通貨界はさながら「仮想動物園」になろうとしていた。しかし業界関係者は、「こうした仮想通貨は1つの例外もなく実際には価値のないものであり、往々にして背後に『胴元』がいて市場を操っている」との見方を示す。
OKExの研究院のウィリアム研究員は、「このたびの『5・19仮想通貨市場の暴落』は、仮想通貨市場がバブルで満ちていたからでもあり、マスク氏などのマイナス発言がビットコインに対する市場の信頼感を動揺させたからでもある」と分析する。
今年2月初め、ビットコイン価格はずっと1枚3万ドル前後をうろうろしていたが、マスク氏が「テスラはビットコインを買い入れる」と発表し、取り引きの詳細をしばしば明らかにするようになると、市場のムードがけん引され、価格が6万ドル前後まで跳ね上がった。しかしマスク氏は5月19日の前にはビットコインへのマイナス発言を繰り返した。それにはテスラがビットコインによる決済の受け入れを停止することが含まれ、市場の信頼感に動揺を与えた。ウィリアム氏は、「過去数週間、市場の大部分の動物コインを追いかける動きは、実は市場の非理性的な行動の現れであり、市場に巨大なバブルが存在することを反映している」との見方を示した。
■資金が「出入りするルート」が塞がれた、中国で「マイニング」が過去のものに?
仮想通貨市場の投機行動がエスカレートしたことを受け、監督管理当局も先週動き出した。中国インターネット金融協会、中国銀行業協会、中国決済清算協会は18日、公告を発表し、会員機関に対して、仮想通貨取引での交換業務やその他の関連金融業務を提供しないこと、仮想通貨に関わる違法な金融活動を断固として取り締まること、仮想通貨取引に口座、決済・清算、PR・展示などのサービスを提供しないことを求めた。
業界関係者は、「こうした監督管理措置は仮想通貨を人民元に交換するルートを塞いだということであり、多くの初心者投資家を保護できる」とした。ウィリアム氏も、「これは仮想通貨と法定通貨との間の『出入りルート』を塞ぐことに相当し、人々が投資する仮想通貨を現金に交換出来なくするもので、新規投資家にとっては致命的な打撃だと言える」との見方を示した。
北京大成弁護士事務所のパートナーである中国銀行法学研究会の肖颯(シャオ・サー)理事は、「監督管理当局はビットコインなどの暗号化デジタル通貨の監督管理をまだ緩めておらず、特に国務院金融安定発展委員会は会議で、『ビットコインのマイニングと取り引きを取り締まること』を明確に打ち出した。これはつまり、ビットコインのマイニングとその他の暗号化代用貨幣のマイニング行為が、中国では確実に過去のものになったということを意味する」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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