日本人の時間意識は独特?中国・米国人と異なる結果に

Record China    2021年6月11日(金) 10時0分

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コロナ禍が本格化して1年。仕事やプライベートを問わず生活環境が大きく変化したことで、「時間の使い方」は多様化している。

コロナ禍が本格化して1年。仕事やプライベートを問わず生活環境が大きく変化したことで、「時間の使い方」は多様化している。セイコーホールディングスは10日、生活者の時間についての意識や実態に関する調査結果をまとめた「セイコー時間白書2021」を発表した。

今回は海外との時間意識の違いを見るべく、米国(ニューヨーク在住の10代~60代男女120人)と中国(上海在住の10代~60代男女120人)でも調査を行い、日本での調査結果(全国の10代~60代男女1200人)と比較している。

■9割が時間に追われていると感じる中国人、時間に追われる感覚も8割以上が「強まった」と回答

まず、時間に追われている感覚について聞くと、日本は61.8%が「追われている」のに対し、米国69.2%、中国90.8%となった。その感覚は以前と比べてどう変化したかと聞くと、時間に追われている感覚が「強くなった」のは日本44.2%、米国52.5%に対し、中国は85.8%と一層高くなっている。中国人は日頃から時間に追われる感覚が強く、さらに加速化しているようだ。

■2020年は3倍弱で過ぎ去ったと感じる米国人、中国人の体感速度の約2倍という結果に

例年の時間の速度を1倍速としたとき、2020年の体感速度はどれくらいか聞いたところ、日本2.03倍、米国2.92倍、中国1.49倍だった。新鮮な体験が少ない時間は、振り返った際、あっという間に過ぎ去ったように感じられるといわれているが、国ごとにその感覚の違いが見える結果となった。同様に2021年のこれまでの体感速度は、日本2.03倍と中国1.68倍は2020年と同程度の回答となったが、米国は2021年は3.39倍と2020年以上の猛スピートに感じているようだ。

■時間の使い方にもお国柄?目安時間を計算して行動する日本人、効率を重視する米国人と中国人

時間に関する行動17項目を挙げ、当てはまるものを選んでもらった結果、日本は「物事を始める前におおよその目安時間を計算して行動」(68.3%)がトップだったが、米国(83.3%)と中国(95.8%)は「なにごとも効率的に進められるよう工夫」がトップだった。

「時間を短縮するためにタクシーを利用する」は日本9.6%に対し米国36.7%、中国63.3%、「朝活する」は日本28.0%に対し、米国59.2%、中国85.8%と実践する人が多くなっている。

日米差が大きいのは「やることがない時間が出来るとつい不安」日本30.8%<米国67.5%(36.7ポイント差)、日中差は「せわしなくさまざまなことに追われることは楽しい」日本25.5%<中国86.7%(61.2ポイント差)だった。1日24時間、時間の長さは世界共通だが、その使い方は国により大きく異なるようだ。

■大切な時間 「睡眠・休憩」の日本人、「趣味・遊び」の米国人、「仕事・家事・勉強」の中国人

次に、オンタイムとオフタイムの自分の1時間の価値を値付けしてもらった。日本はオンタイム4253円、オフタイム1万2992円だったが、米国はオンタイム8590円(78.98ドル)、オフタイム8561円(78.71ドル)、中国はオンタイム2319円(136.55元)、オフタイム1751円(103.15元)となった。日本はオン・オフの差が大きくオフタイムが断然高いのに対し、米国はほぼ同じで、中国はオンタイムの方が価値が高いと値付けされている。

そこで、大切にしている時間を選んでもらうと、日本は「睡眠・休憩の時間」(76.6%)、「趣味・遊びの時間」(75.7%)、「ひとりで過ごす時間」(73.5%)とプライベートな時間が上位に挙げられた。米国も同様にプライベートな時間が大切な時間の上位に挙げられているが、「睡眠・休憩の時間」(88.3%)よりも「趣味・遊びの時間」(89.2%)の方が上位で、よりアクティブにプライベートな時間を楽しみたいという意向が感じられる。一方中国は、「仕事・家事・勉強をする時間」(96.7%)のオンタイムがトップとなった。

■時間の効率や合理化をより推進したい中国、適度に推進したい米国、よりあいまいな日本

時間の使い方に対する意見を聞くと、時間を効率的に使うことに関しては、3カ国とも「意識する」が多く、中国では76.7%が意識すると答えている。普段忙しい人が休む時に時間をぜいたくに使うと表現することは、「共感する」が多くなっているが、中国は共感するも共感しないもどちらも3カ国で最多となった。無駄な時間を排除して効率性、生産性向上、時間を管理することを重要視する傾向も、3カ国とも「共感する」が高く、中国では67.5%と最多。時間の合理化は「進めたい」が3カ国とも多いものの、日本は42.8%と半数以下で、中国は66.7%と7割が合理化推進派だ。

■時間の使い方の自己採点 中国78.4点 米国64.5点 日本58.8点

時間をうまく使いこなしている度合いを100点満点として、自分の時間の使い方を自己採点してもらった結果、日本は平均58.5点、米国は64.5点、中国は78.4点という結果になった。

そこで、時間の使い方についての価値観を聞いてみると、日本のスコアは米国や中国に比べて総じて低い結果となり、2国に比べて時間への関心がやや低いようだ。

内容を見ると、日本(55.6%)も米国(84.2%)も中国(88.3%)も「自分で使い方を決められる時間の増加を歓迎」がトップだが、日本(51.3%)と中国(81.7%)は「自由な時間を得ることは、自分で負う責任が強くなる」が2位で、自由は責任感の下に獲得できるという考え方が強いようだ。ちなみに、自由の国米国は最下位(60.8%)だった。

日本と中国はスコアこそ違えど順位は同じで、時間に対する自己評価には差があるものの、捉え方は似ているようだ。

■コロナ禍による生活変化、日本人は半数が考えているが、米国人7割、中国人8割とより真剣に

コロナ禍による生活変化について考えたかどうか聞くと、日本は半数程度が考えたと答えたが、米国では7割超、中国では8割以上が考えたと答えている。ウイルスの抑え込みやワクチン接種の進み具合など、各国の新型コロナとの関わり方の違いが、意識の差にもつながっているのかもしれない。

■コロナが収束したら、ウィズパートナー!

コロナが収束したら誰と何をしたいか、日本は「友人と外食」(55.6%)、「配偶者と旅行」(40.2%)が上位に挙げられたが、米国は「配偶者と旅行」59.2%、「配偶者と外食」52.5%が高く、中国も「配偶者と旅行」70.0%、「配偶者と外食」50.0%が高くなっている。アフターコロナのお楽しみはまずは配偶者と!がお約束のようだ。(編集/藤井)

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