人民網日本語版 2021年4月23日(金) 9時50分
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中国で近年、顔認証技術を使用する機会がますます増えている。同時に技術の応用におけるプライバシーや情報保護の問題も、より大きなチャレンジに直面している。
携帯電話のロックを解除し、身元を確認し、会社で打刻する――中国の人々の生活及び仕事で近年、顔認証技術を使用する機会がますます増えている。同時に技術の応用におけるプライバシーや情報保護の問題も、より大きなチャレンジに直面している。人民日報海外版が伝えた。
中国情報安全標準化技術委員会などの機関が2020年10月に発表した「顔認証応用公衆調査研究報告書(2020)」によると、回答者の9割以上が顔認証を使用したと回答しているが、うち6割以上が顔認証技術に乱用の傾向があり、強制的な使用や違法な採取などの問題が多発していると回答した。
関係分野の専門家によると、一部の人が顔認証に警戒している。なぜなら、インターネット時代に個人データなどのプライバシーの保護をより重視しているにもかかわらず、顔認証はその他の生体認証データより受動的に採取されやすい。一方で、ユーザー名、携帯電話番号、メールアドレスなど容易に変更できる個人データと異なり、顔認証情報は唯一のもので、変更できない。消費者は顔認証情報が採取された後、企業が長期的かつ安全にデータを保管し、不法者による乱用を防止するか知ることが出来ないからだ。
そのため人々の同意を踏まえた上で、顔認証データを安全に保存し、顔認証システムを合理的に使用することが極めて重要だ。
その一方で、顔認証は公共サービスなどの分野で積極的な役割を果たしている。例えば感染症対策期間中、非接触式顔認証設備が多くの商業施設、飲食店、オフィスビルで導入された。正確かつ効率的に顔認証と検温を行い、感染症対策に積極的に貢献した。
中国情報技術標準化技術委員会が2020年12月に提唱し、多くの企業・機関が作成に参加した「2020年顔認証業界研究報告書」は、30万人分の画像データバンクという規模の場合、マスク着用時の顔認証の精度が90%にものぼる。これは顔認証には無視できない優位性があり、画一的に処理できないことを意味すると指摘した。
それでは、どのようにしてデータ安全を保証すればいいだろうか。中国全国人民代表大会常務委員会法制活動委員会は2020年10月「中華人民共和国個人情報保護法(草案)」を発表し、公共の場における顔認証設備の設置について次の特別な規定を設けた。
「公共の場で画像採取及び個人の身元確認の設備を設置する場合、公共安全を守るため必要でなければならず、国の関係規定を遵守すると共に、目立った表示を行うこと。採取した個人の画像、個人の身元確認情報は、公共安全を守る目的にしか用いることができず、公開または他者に提供してはならない」。
中国国内の複数の地域で関係政策を集中的に発表し、顔認証などの個人情報採取の「レッドライン」を引いた。2020年10月の「杭州市物業管理条例(修正案)」は、不動産管理者は住宅所有主の指紋や顔認証などの生体情報による共用施設・設備の使用を強制できないとした。天津市は今年1月1日より「天津市社会信用条例」を施行し、中国全土で初めて顔認証情報の採取を正式に禁止した。
専門家は、関連法律・法規・基準が次第に整備されるに伴い、顔認証技術の応用は適切に管理される見込みで、プライバシーを侵害せずデータ安全を守った上で引き続き積極的な役割を果たすと指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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