ポストコロナ時代の中国で新しい職業台頭へ―中国メディア

人民網日本語版    2021年3月3日(水) 5時20分

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1980年代生まれの王薇さんは、寧夏回族自治区銀川市で初となるプロの収納整理アドバイザーだ。年初からの2カ月間で、王さんは繁忙期を迎えている。資料写真。

80後(1980年代生まれ)の女性・王薇(ワン・ウェイ)さんは、寧夏回族自治区銀川市で初となるプロの収納整理アドバイザーだ。年初からの2カ月間で、王さんは繁忙期を迎え、「予約がひっきりなしに入っている。引っ越しして、全ての片付けをしてほしいという問い合わせもあり、手が回らない。最近、手伝ってくれる人を募集しているほか、共同起業者も探している」と話す。中国新聞社が伝えた。

春節(旧正月、今年は2月12日)が終わり、大学での新入社員募集説明会や春季新入社員募集などがピークを迎えている。取材では、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)やインターネットマーケティング担当者、収納整理アドバイザーなどの新興職業の注目度が高まる一方となっていることが分かった。浙江工商大学4年の馬圓圓(マー・ユエンユエン)さんは、「仕事を見つけるのは難しい。伝統的なポストは減っている。もし、新しい職業でも、楽しく仕事ができ、給料も良ければ、是非チャレンジしたい」と話す。

伝統的な観念では、労働者は定時出社・退社できる安定した仕事を好む。しかし、就職の競争が熾烈になるにつれて、新世代の労働者の考え方や観念にも変化が生じており、「安定」や単調な仕事にこだわらず、新しい職業に目を向けて、本当に好きで、自分の長所を発揮できる仕事を好むようになっている。

王さんが従事する収納整理アドバイザーは近年、人気が高まりつつある新しい職業の一つだ。

収納整理業界は1980年代に米国で誕生し、欧米や日本、韓国などの先進国でも流行するようになった。中国では今、ECや物流が急速に発展するにつれて、家の中に物があふれているという人が増えている。そして、居住空間の物品が急速に増えてあふれ、空間と物品と人とのバランスが崩れ、人々は空間整理に対する新たな認識を抱くようになっており、効率的、かつプロフェッショナルに収納、整理するために喜んでお金を払う人も増えている。

収納整理アドバイザーになって2年という王さんが一番よく聞かれるのが、「家の清掃代行との違いは?」という質問という。王さんは、「清掃代行は『汚い』という問題を解決するのに対して、収納整理アドバイザーは『散らかっている』という問題を解決する」と説明する。

そして、「多くの人が、毎日片付けをしているのに、なぜ家の中がいつも散らかっているのか」と悩んでいる。プロの整理アドバイザーは物品、空間、人のバランスを整える。空間を活用して、物品の数を、物品の数を通して人の欲望を抑制する。合理的な空間計画、便利な収納物品、簡単な整理方法を組み合わせなければ、常に片付いている家は実現できない」と話す。

掃除屋と違い、プロの整理アドバイザーは空間計画や陳列美学、ファッション、ぜいたく品、心理学などを学ばなければならない。整理プラットフォーム「留存道」が新浪楽居財経と共同で発表した「2020中国整理業界白書」の調査によると、中国全土には現在、プロの整理アドバイザーのトレーニングを受けた人が約7000人いる。2019年から2020年にかけて、中国全土の新規プロ整理アドバイザーは2200人以上で、プロの整理アドバイザーの9割近くが高等教育を受けている。

収納整理業界が台頭しているのと同じく、中国のワイン市場が成長するにつれて、ワイン関連の新しい職業も三・四線都市で登場するようになっている。

寧夏大学ブドウ・ワインエンジニアリング学部を卒業した後、プロのソムリエになった張博華(ジャン・ボーホア)さんは、「主に、レストランに酒とドリンクのコーディネイトサービスを提供するのがその仕事で、多くの人が考えているようなウェイターではない。伝統的な評価基準には弊害があることが明らかになっている。新しい職業に従事する人の成長に影響を与える『天井』を打破するためには、観念を変え、みんなが新しい職業を正しく理解するようにしなければならない。新しい職業の健全な発展計画を構築しなければ、新しい職業の健全な発展を守れない」と指摘する。

中国人力資源・社会保障部の李忠近(リー・ジョンジン)副部長はこのほど、「中国は今年、『中華人民共和国職業分類大典』を改訂し、新しく誕生した職業をそこに盛り込み、中国の国情に一層マッチした現代職業分類にする」と明らかにした。

これに対し、寧夏大学法学院の党委員会書記・潘瑞(パン・ルイ)氏は、「新しい職業関連の国家職業技能基準やランクを発表すれば、労働者は安心してその仕事に打ち込むことができる。また、関連の肩書を持つ技術者は、職業を選択する時により多くの優位性を備えるようになる。新しい職業の発展体系を整備する過程で、各レベルで就業サービス管理政策を改訂することが必要だ。そうすることで、労働者のために、より幅のある就業環境を作り出し、新業界、新業態などにさらに大きな発展の可能性を与えることができる。そうなれば、人材市場を活性化させることにつながる」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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