人民網日本語版 2021年3月2日(火) 23時50分
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中国でプロの「ペット探偵」という新興職業が多く人の目に留まり、話題となっている。
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ある有名なブロガーが最近、微博(ウェイボー)に、 「夜中の3時にネコが自分でドアを開けて出ていってしまった。『ネコを探しています』の張り紙をしたけれど情報は寄せられなかったが、プロのネコ探偵に連絡すると、2時間もしないうちに見つけだしてくれた」といった内容の 「ネコ捜索の特別な体験」をつづり、プロの「ペット探偵」という新興職業が多く人の目に留まり、話題となっている。紅星新聞が伝えた。
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取材に応じた張展飛(ジャン・ジャンフェイ)さんは、人気アイドル・楊超越(ヤン・チャオユエ)のネコを探した経験もある「ペット探偵」。1カ月に平均十数匹のネコやイヌを探し出し、最も多い日でネコ5匹を見つけ出したことがあるという。
この業界に入って3年になる「90後(1990年代生まれ)」の張さんは、「ネコ探偵をしていて、喜びの涙を見たこともあれば、完全に絶望した涙を見たこともある。毎回ネコを探し出した時の達成感は、他の仕事では味わえない」と話す。
張さんは取材に対して、以下のように語った。
2019年に上海に来て、始めに見つけた仕事が「ネコ探偵」で、それにより「ペット探偵」という新興業界に入った。当時、上海の「ペット探偵」は数社しかなく、依頼のほとんどがネコ探しで、次に多いのはイヌ。それで、「ネコ専門探偵」と呼ばれることが多い。
僕は子供の頃からイヌを飼っていて、後からネコも飼うようになった。「ペット探偵」に求められるのは主に視力で、プロの「ネコ探偵」の視力は通常2.0以上。また、動物が好きでない人は迷子になったペットを見つけることはできないので、絶対に動物が好きな人でなければならない。その他、身長が高い人も、低い人もそれぞれにメリットがある。僕は182センチで、身長が高いと、壁を超えたりしてペットを追いかけることができる。一方、身長が低い人は、狭い所にも入って行くことができる。
僕は主にネコ探しを担当している。ネコの活動範囲は狭く、ほとんどが50メートル以内、それに縄張り意識がある。団地内で見かける野良ネコは普通、今日見かけた所に翌日もいることが多い。人やイヌに追いかけられない限り、ネコは普通、直径1キロの範囲の外に出ることはない。
「ネコ探偵」になるには一定の天性の素質が必要だ。ネコを探す時は、いつも細かい所まで捜索して、毛や足跡、糞など、その痕跡を探さなければならない。クライアントからよく「本物の探偵みたい」と言われ、時々人は僕のことをアニメ「名探偵コナン」の登場人物の一人である「毛利小五郎」と呼ぶ。
「ペット探偵」は、少しずつ小動物の習性を見つけ出し、その性格も理解しなければならない。例えば、迷子になった純血種のネコは隅っこに隠れ、雑種のネコは草むらでじっとしていることが多い。ネコを見つけても、すぐに追いかけてはならず、我慢が必要だ。
ここ数日、微博で話題となっている書き込みは、迷子になったネコが2~3日見つからず、飼い主が団地に「ネコを探しています」の張り紙をしたものの、情報が全く寄せられなかったということだった。
飼い主の家は12階にあり、ネコは自分でドアを開けて出ていったのではないかとみられていた。僕たちが現場に行くと、ドアにネコの毛がたくさん落ちていたので、ドアから出ていったことは間違いないと判断した。そして、13階の階段の所に置いてあった棚の中にもネコがいた痕跡があった。ネコは、端っこを歩くのが好きで、外で道の真ん中を堂々と歩くことはほとんどない。
その痕跡に沿って、上に上がって行くと、17階にもネコの痕跡があり、18階で大量のネコの足跡と毛を発見した。18階にはドアが4つあり、開いていたのは2つだけ。1つは機械室のドア。その中は湿気が高く、ネコがいる可能性は低かった。もう一つはパイプシャフトのドアで、そこにもネコの毛があり、クライアントが飼っているネコの毛の色と全く一緒だった。中にはネコの足跡がたくさんあり、そのためそこにいると判断した。
パイプシャフトは非常に狭くて、嫌なにおいがしていた。ネコ捕獲器を設置して、ネコが出てくるのを待つこともできたが、クライアントはとても焦っている様子だったので、上着を脱いで、その中に入った。そして1時間ほどで、ネコのキャリーバッグでネコを捕まえた。
実際には、この3年、「ネコ探偵」をしていて、喜びの涙を見たこともあれば、完全に絶望した涙を見たこともある。広西チワン族自治区にネコを探しに行った時、社長は節約のために1日と1晩かかる列車で僕らを行かせた。そして、ネコを見つけた時は、すでに誰かに殺されていて、死体が異臭を放っていた。当時クライアントは、吐いてしまうほど大泣きしていた。もしあの時、1日早く到着していれば、その命を救えたかもしれないと思い、とても残念な気持ちになった。
それからというもの、ネコを探しに遠くへ行かなければならない時は、最速で到着できる方法を選ぶようになった。毎回、ネコが見つかった時は、とてもホッとした気持ちになる。その大きな達成感は、他の仕事では味わえない。
この3年、最も多い日で5匹のネコを探し出した。
ネコを探すのは難しいという人も多いが、僕にとってはイヌのほうが難しい。まず、イヌは活動範囲が広く、イヌを探すために、1日に20‐30キロ歩くというは日常茶飯事。次に、イヌはヒトを怖がらず、迷子になったイヌを誰かが連れ去ってしまった可能性もある。そのため、監視カメラを見て、それを自分たちで調べなければならない。ペットが迷子になった時は、早ければ早いほど見つけやすい。一番いいのは3日以内だ。
昨年10月、僕は以前のチームを離れて、自分のチームを立ち上げた。メンバーは6人で、全員が小動物が好きな「90後」。最年少のメンバーは20歳だ。
正直言うと、この業界は「ボロもうけ」状態で、正規の業者ではない所も多い。ペットを探す料金は数千元から数万元まであり、ハイエンド設備を売りにして客を集めて、それを持って現場に行くものの、まじめに探さないという業者もある。この業界はサービス業界で、つまるところクライアントの問題を解決するのが基本。僕は、この業界でやっていくには、口コミが大切だと思っている。
この3年、一番感じているのは、クライアントがどんどん大衆化している点だ。以前は、ネコやイヌ探しを専門の業者に依頼して来るのは金持ちばかりだった。でも、今は、借家に住んでいる人や大学生からの依頼もある。
ペットとは絆ができるもの。一人で実家を離れて働いている人はたくさんおり、孤独を感じやすい。そんな人にとって、ネコやイヌが最も仲の良いパートナーになってくれるからだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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