北の武力誇示に沈黙する韓国・文在寅大統領、「国民守る義務放棄」と主要各紙が非難

Record China    2021年1月16日(土) 19時20分

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北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が党大会の報告で戦術核の開発などを公言したのに対し、韓国の文在寅大統領は沈黙したまま。主要各紙は「国民を守る義務を放棄」などと非難した。写真はソウル市。

北朝鮮金正恩・朝鮮労働党委員長は5日からの党大会の報告で、原子力潜水艦、戦術核、極超音速兵器の開発などを公言し、武力を誇示した。これに対し、韓国の文在寅大統領は11日の新年の辞で北の軍事的脅威には沈黙したまま。主要各紙は「国民を守る義務を放棄した」などと非難した。

北朝鮮の朝鮮中央通信によると、金委員長は党大会で「超大型核弾頭の生産も持続的に推し進める」と強調。「1万5000キロの射程内の対象を打撃する命中率を向上させ、核先制・報復打撃能力を高度化する」と述べ、米本土を狙う核戦力の強化方針を示した。固体燃料を用いた大陸間弾道ミサイル(ICBM)、原子力潜水艦と「潜水艦発射型核戦略兵器」、軍事偵察衛星などを開発・保有する考えも明らかにした。

朝鮮日報は社説で「どれか一つ成功するだけでも、韓(朝鮮)半島の安全保障の構図を根底から揺るがすだろう」と指摘。「北朝鮮が原潜を保有したら、通常動力の潜水艦しかない韓国の監視能力は完全に無力になる。米国も探知が極めて難しくなる。北が原潜に長距離核ミサイルを積んだら、それこそ『ゲームチェンジャー』になる。米国の韓半島政策は今と同じではあり得ない」と危機感をあらわにした。

さらに「戦術核は戦略核とは違って実際に使える核兵器と呼ばれる。爆発力が小さいからだ。そのため、一段と脅威であり得る」と言及。「北が戦術核を開発したら、韓国に対する核の脅威は次元の違うものになり、在日米軍やグアムの米軍基地まで実質的に脅かされる」として、「重要なのは北の集団がつくると公言した兵器類は本当に目の前に登場してきたという事実だ。原潜、戦術核、極超音速兵器などもそうなるだろう」と警鐘を鳴らした。

社説は「正常な政権であればゲームチェンジャーになる北の新兵器開発に当然緊張し、対応策を用意しなければならない。基本的な責務だ。ところが文大統領は新年の辞で北の実存的軍事脅威には一言も触れなかった」と論難。「国防部(省に相当)すら一言半句もない。与党の一部では『金正恩のソウル答礼訪問』に触れることもあった。国民を守る義務を放棄した政権だ」などと語気を強めた。

東亜日報も社説で「北朝鮮は核脅迫をしているのに(文政権は)南北関係の復元を期待するバラ色の幻想だけを強調し続けているのだ。これまで累積してきた対北朝鮮の低姿勢外交基調で安易な対応だ」と糾弾。「政府は北朝鮮に対して再び完全な非核化交渉に乗り出すことを断固として要求しなければならない。今からでも漠然とした楽観論を捨てて、現実を冷静に直視しなければならない時だ」などと主張した。(編集/日向)

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