<年の初めに>今年こそ不安定性・不確実性を打破する年にしたい―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2022年1月2日(日) 6時30分

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恭賀新年。またお正月がやってきた。今年こそ明るい年になるよう祈るばかりである。

恭賀新年。またお正月がやってきた。今年こそ明るい年になるよう祈るばかりである。

新型コロナウイルスによるパンデミックは3年目に突入した。内外の政治・経済・社会を大きく揺さぶっている。世界は大きな変革期にあり、不安定性・不確実性が広がり、混沌とした状態は年が変わってもなお継続しそうだ。

地球温暖化が深刻度を増し、気候変動対策としての「脱炭素化」は待ったなし。抜本的な行動変革を迫っている。

こうした中、大国間の対立が経済や安全保障を超えて深刻化している。民主主義国家と権威主義国家との間の分断も広がり、混乱に拍車をかけている。米国は「自由で開かれたインド太平洋」を掲げ、欧米民主主義国との連携強化を推進。これに対し中国は経済面で開発途上国との関係を強め、広域経済圏構想「一帯一路」を前面に対抗しようとしている。シリア、アフガニスタン、ミャンマーをはじめ世界中で深刻な紛争が続き、難民も急増。子どもや女性など弱い立場の人たちを襲っている。

一方で、世界やアジアの経済的な相互依存関係は緊密で、人々の生活を支えている。平和や協力発展こそが人類の目指すべき目標であり、いかなる国も軍拡競争を展開する愚は避けなければならない。特に核兵器開発をストップするために、核兵器禁止条約への署名・批准が急務と考える。

また原油高、インフレが世界で高進している。日本でも異次元の金融緩和の長期化により円安が進行、一人当たりGDPはG7で最低水準に沈んでいる。財政赤字は巨額の水準に積み上がり、先行きに暗雲が漂っている。内外の貧富の格差も最悪の状態に陥っている。

今年こそ不安定性・不確実性を打破する年にしたい。

<直言篇187>

■筆者プロフィール:立石信雄

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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