<コラム>アメリカの大統領選挙の結果が中国の蝋人形館にも影響を与える件

関上武司    2021年1月11日(月) 16時10分

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2020年のアメリカの大統領選挙は現職大統領のトランプ氏が敗れ、バイデン氏が勝利を収めた結果は、中国の観光地にも影響を与えるものと予想される。

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2020年のアメリカの大統領選挙は現職大統領のトランプ氏が敗れ、バイデン氏が勝利を収めた結果は、中国の観光地にも影響を与えるものと予想される。中国人は何だかんだ言ってもアメリカ大統領に注目しており、筆者は2015年に長沙世界之窓というテーマパークで当時大統領だったオバマ氏の偽物がパレードを練り歩いているのを目撃している。詳細は拙作『中国遊園地大図鑑南部編』をご覧いただきたい。

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重慶市は抗日戦争中、国民党政権の臨時首都であった経緯から、現地の撮影所の両江国際影視城は中華民国時代の街並みを再現。敷地内にある大世界蝋像館は130体の等身大人形を展示する蝋人形館になっている。入口には中華民国の軍服を着用したおじさんが椅子に座って昼寝をしているが、近くで見ると蝋人形だと判明。広東省広州市の広州タワーにある広州名人蝋像館と同じ演出だ。入館すると、毛沢東、宋慶齢(孫文の妻)、孫文、蒋介石がソファーに座って談笑している蝋人形がお出迎え。蝋人形館の魅力とは時空を越えた有名人と会えることで、館内には八路軍兵士やハリウッドスター、現在の中国の著名人の中にトウ小平の蝋人形も見られたが、江沢民胡錦濤習近平といった指導者の蝋人形は目撃されなかった。

個人的に特に気に入ったのは、トランプ氏と北朝鮮金正恩氏(現在の画像と比較すると若干、痩せている)が重慶名物の火鍋を囲んでいる作品だ。ロシアの大統領のプーチン氏と同様、金正恩氏は中国の観光地で一定の人気がある模様。金正恩氏の蝋人形は館内では中国人以外では唯一のアジア人だ。同館2階の最奥部ではトランプ氏とプーチン氏の蝋人形の真ん中に五星紅旗(中国の国旗)が設置され、入館者はスリーショットを撮影すると中国の指導者気分を味わえる。

アメリカの大統領選挙の結果から、同館でもトランプ氏からバイデン氏の蝋人形に入れ替えがされるはずだろう。日本のヘヴィメタルバンドの聖飢魔IIの「蝋人形の館」という曲で「お前も蝋人形にしてやろうか!」という衝撃的なフレーズがあるが、実際の蝋人形作製期間は最短でも数か月を要する。しばらくは館内で残留するはずの2体のトランプ氏の蝋人形は入れ替えの後、次回の大統領選挙に備えて倉庫で保管するのではないだろうか?

両江国際影視城は重慶市内からかなり離れており、アクセスは『重慶マニア』(近堂彰一著・パブリブ社)にも紹介されているが、状況次第では重慶江北国際空港の利用時間と連動することをお勧めしたい。筆者は空港に到着後、タクシーをチャーターして同影視城へ訪問し、ドライバーに待機してもらってから撮影後は市内に向かった。逆に重慶市内からタクシーで同影視城へ向かい、楽しんだ後に空港に向かうのも可能だが、現地周辺ではタクシーの確保が難しいと思われるので、チャーターした方が無難だろう。

今年も本業のかたわら、脱力系の記事を執筆する予定なので、よろしくお願いします。

■筆者プロフィール:関上武司

1977年の愛知県生まれ。愛知大学経営学部卒。中国で留学や駐在員としての勤務経験あり。日本や中国のB級スポットを紹介するブログ・軟体レポートの管理人。中国遊園地の取材で中国の全省、全自治区、全直轄市へ訪問。会社員の傍ら、「中国遊園地大図鑑」シリーズを執筆し、メールマガジンのロードサイダーズ・ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行」を連載中。このほかイベントも開催している。

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