人民網日本語版 2020年12月9日(水) 12時40分
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中国の男性用化粧品市場が台頭している。資料写真。
「普段は薄めのブラウンや濃いめのブラウンを、男性は使うことが多いです。かわいらしい子犬系を狙うなら、淡いピンクでもいいでしょう」。カメラの前で、ショート動画を発信するコスメブロガーの先先さんが、男性にアイシャドーの使い方を指導する様子だ。先先さんは今年30歳で、ファンデーションを塗るところでは、まずファンデーションブラシとスポンジにリキッドファンデを取り、あごひげの部分を避けて顔の上にむらなく塗っていった。中新経緯が伝えた。
長年にわたり、ネットに伝わる言葉に、「男性の消費能力は『(ペットの)犬』以下」というのがある。しかし今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)のプレセールでは、男性用化粧品の売り上げが激増し、人々はコスメ分野で「彼経済」の誕生発展が期待できることに気づいた。
■「男性も自分を喜ばせてくれる人のために化粧をする」時代が来た?
中国中央テレビのニュース番組の報道によると、ある報告書では、2016年には男性ユーザーのうち、「絶対に化粧品を使わない」とした人は31%に上ったが、19年のこの割合は3分の2減った。男性用化粧品市場は大きなパイで、関連機関の予測では、23年に世界の男性用化粧品市場の規模は5400億元(約8兆1000億円)に達するという。
男性用化粧品の商機の匂いを嗅ぎ取った大手化粧品ブランドも市場に進出し展開を進めている。エスティローダーは男性用スキンケアブランドのラボシリーズ、ロレアルパリ傘下のビオテルムは男性用BBクリームを発売した。ディオールやMacなど昔からあるブランドも広告宣伝を通じて、「当社ブランドの化粧品は女性のお客様だけのものではない」という理念を男性に伝えている。
だが、巨大な女性用化粧品市場と比較すれば、男性用化粧品市場はまだスタートしたばかりだ。ブランドのインキュベーションプラットフォーム「ディア・マッド・パートナー」の創業者の劉禹●(リウ・ユートン、●は丹へんに彡)さんは、「男性の社会的地位と歴史的要因により、男性は一般的に自分をよく美しく飾り立てようという意識がなく、化粧は女性がするものだと思い込んでおり、中には男性の化粧をけなす男性もいる。男性化粧品業界はゼロの状態から立ち上がったばかりだ」と述べた。
ロレアルパリ広報部の責任者の陳潔(チェン・ジエ)氏も、「ロレアルパリの男性用化粧品の規模はそれほど大きくない。今はまだ中国では男性向けの計画はない」と述べた。
高級化粧品の調合スタッフの孫言(スン・イエン)さんは、「男性用化粧品は資本側にとっても、ベンチャー投資の世界でも、ずっと競うようにして語られる話題だ。男性用化粧品なんて偽の命題だとか、男性用化粧品はまだニッチな市場にとどまっているとかいう声がある一方で、男性用化粧品こそ未来の発展の大きなトレンドだとする見方もある」と述べた。
■国産品と欧米の大手ブランド、より多くチャンスをモノにするのは?
2019年8月の阿里巴巴(アリババ)プラットフォームの売り上げデータを見ると、男性用化粧品トップ5のうち、中国国産ブランドが4つを占めた。国産ブランドには、左顔右色(24%)、尊藍(23.17%)、和風雨(12.91%)、阿姿美爾(4.84%)、赫恩(3.93%)などがあり、年間売上高を合計すると全体の64.01%を占めた。男性経済の時代に、男性用化粧品市場における国産ブランドの相対的な優位性がより一層顕在化している。
新型コロナウイルス感染症の影響により、越境ECが打撃を受け、国産化粧品ブランドが急速にトップに躍り出た。業界関係者も、「国産ブランドは中国人消費者のユーザーとしての考え方や態度をよく理解すると同時に、マーケティング戦略を海外ブランドよりもずっと早くつかんで、若い世代に国産品はより興味深く、話題性があり、価格はより手頃といったイメージを植え付けた」と指摘した。
業界関係者の分析では、男性用化粧品の中心消費層は働き始めた95後(1995年から1999年生まれ)で、消費水準が低く、購入する商品の価格もしばらくは現状維持の見込みだ。国産品は海外製品よりも安い価格を優位性にして、Z世代(幼いときからネット環境の中で育った世代)の消費の選択でトップになったこともある。
男性用化粧品ブランドのインキュベーションを手がける劉氏は反対の見方をしており、「自分は男性用化粧品市場の発展のポテンシャルに大きく期待している」と述べた。
しかし劉氏は、「男性用のコスメでもスキンケアでも、輸入ブランドが常に優位に立ち、国産品が海外大手ブランドに追いつくにはある程度時間がかかる。国産品は絶対的な文化的特徴を見つけなければならず、ただひたすら機能や効能を追い求めるだけではだめで、ブランドの中身に対しより高い要求を満たす必要がある」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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