2020年12月8日、韓国・朝鮮日報は、英国の大学評価機関QSと共同で行った今年の「アジア大学評価」のトップ10に韓国の大学が含まれなかったと伝えた。

記事によると、この評価は09年から毎年行われており、韓国の大学がトップ10入りを逃すのは初めてのこと。12年～15年は4年連続でKAIST、ソウル大学、浦項工科大学がトップ10に含まれていた。KAISTは14年に2位、15年に3位と上位を占めたが今年は12位に。ソウル大も12年から3年連続で4位に入っていたが今年は14位で過去最低の順位となった。

1位には3年連続でシンガポール国立大学が選ばれた。2位以下は清華大学（中国）、南洋理工大学（シンガポール）、香港大学、浙江大学（中国）、復旦大学（中国）、北京大学（中国）、香港科技大学、マラヤ大学（マレーシア）、上海交通大（中国）となった。

日本は東京大学の15位が最高位で、17位に京都大学が入った。なお今年の評価は18カ国650の大学が対象となったという。

韓国の大学についてQSは「研究分野で中国のような活発な成果を挙げられずにいる」と指摘した。上位5校（高麗大学、KAIST、ソウル大学、 成均館大学、延世大学）は今年、教授の研究の活発度を示す「教員1人当たりの論文数」と、研究の質を示す「論文被引用数」の指標でいずれも順位が下落したという。

韓国の全北大学のキム·ドンウォン総長は「論文被引用数が下落するのは韓国の大学が研究の質をなおざりにしたため」と指摘。また「中国など他の大学が研究と教育の質と規模を向上させ変化している中で韓国が現在の水準にとどまれば、その格差はさらに拡大することになる」と懸念を示したという。

これを見た韓国のネットユーザーからは「別に驚かない。ソウル大は変わってしまった。ただ勉強のできる人を集めるだけで人格教育は失敗」「ソウル大の問題点は、両親のコネで入る推薦にある。だから質が低下する」「ソウル大学はもはや大学ではなく政治集団。教授が政治に介入しているところを見ると廃校にするしかなさそうだ」などソウル大学の問題点を指摘する声が上がっている。

また「技術のない韓国がいつまで今の繁栄を維持できるだろうか」と今後を案じる声や、「東大と京大がトップ10外ってところで信ぴょう性に欠ける。いくら中華圏の成長が目覚ましいとはいえ、研究実績でその2大学がそんな低い評価を受けるのはおかしい」「ノーベル賞受賞者を輩出し続けている日本より韓国の大学の方が優位に見えるこの資料に果たして客観的妥当性があるのか」と日本の順位に疑問を示す声も複数寄せられている。（翻訳・編集/堂本）