恐妻家が急増!?日本人女性の「逆襲」は本当か―中国メディア

Record China    2014年3月23日(日) 20時6分

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21日、中国誌・環球は「恐妻家が急増!?日本人女性の『逆襲』は本当か?」と題した記事を掲載した。写真は都内のスーパーで買い物する女性。

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2014年3月21日、中国誌・環球は「恐妻家が急増!?日本人女性の『逆襲』は本当か?」と題した記事を掲載した。

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男尊女卑の観念が深く浸透している日本社会では、女性の社会的地位は相対的に低い。就職や昇進、賃金面における性別格差も大きく、男女平等度ランキングでも世界のワーストクラスに甘んじている。しかし、近年この現象にも変化が見られるようになってきた。日本の男性たちはネット上で、「家では発言権がない」、「小遣いが少ないことを不満に思っているが、怖くて妻に言えない」などと多くの愚痴をこぼし始めている。スポーツ界でもサッカー女子日本代表の「なでしこジャパン」の活躍は目覚しく、政治面でも安倍内閣が日本経済の成長戦略として「女性の活用」を掲げている。これまで道を歩く際にも夫の三歩後ろを歩いてきた控えめな日本女性の「逆襲」は本当なのだろうか?

■「妻はリビング、俺トイレ」

週刊誌「週刊ポスト」の最新号に、「最近、日本に『恐妻家』が急増しているらしい」という記事が掲載された。それによると、「休みの日、食器の片づけや部屋の掃除をしていると、子供の前なのに『お皿を置く場所はそこじゃないの。何度いったらわかるの?』『そんな掃除の仕方じゃダメよ』と怒鳴られる。これじゃあ、子供が父親のいうことを聞かなくなるはずです」と30代会社員の男性が自分の家庭内の地位について語っている。

また、別の大企業の中間管理職を務める40代男性は、「『一家の主である夫を立てる』なんていう美風は、もはや日本には存在しないようだ」と嘆く。

「領土権 妻はリビング 俺トイレ」。これは、第一生命が毎年募集するサラリーマン川柳の受賞作品だ。3歩下がって控えめだったはずの妻たちの権力がすでに夫を凌駕しているという、現在の日本家庭の伝統的な「権力構成」の変化が反映されている。

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏は、このような現象は主に妻が家計を管理していることに起因しているという見方を示す。オリックス銀行が2013年に行った調査によると、6割近くの日本の家庭で、妻が家計を管理し、夫に小遣いを与えているという。

新生銀行が発表した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」では、2012年のサラリーマン男性の1カ月の小遣いの平均は3万9756円で、給与の10%(厚生労働省2012年のデータによると、日本のサラリーマン男性の1カ月の平均給与は36万円)にあたる。これには勤務日のランチ代も含まれる。53.4%の夫が「小遣いが足りない」と感じつつも、ほとんどが「増額交渉を行っていない」と答えている。

こういった「小遣い制」の下、妻と夫の地位の格差を嘆いたサラリーマン川柳もある。「昼食は 妻がセレブで 俺セルフ」。

■家の大黒柱になることを選ぶ女性

家庭内だけでなく、政治、経済の分野でも、日本の女性は「逆襲」のチャンスを迎えているようだ。「ウーマノミクス」の提唱者で、安倍政権の経済ブレーンでもあるキャシー・松井氏(ゴールドマンサックス証券マネージング・ディレクター)は、かなり以前から女性の労働力が男性並みに上昇すれば、日本のGDPは15%拡大するという予測を発表してきた。

米紙ロサンゼルス・タイムズも経済学者の論説を引用し、女性の就職率が男性並みになれば、日本では労働力が800万人増えると報じた。出生率の低下や高齢化、労働力不足といった問題に頭を悩ます日本社会にとって、これは大きな希望を感じさせるものだ。

2013年4月、安倍政権は女性を活用して日本経済を成長させるという「アベノミクス」の「第3の矢」である成長戦略を発表した。安倍首相本人も「女性の社会進出はもはや選択肢ではなく、急務」として、「女性の力がなければ、『アベノミクス』は成功しない」と断言した。

日本は「幼稚園を増やす」「企業の産休や育児休暇を延長する(3年のフレックスタイム制)」などの措置を通して、専業主婦が職場に戻れるよう奨励する計画を立てている。

また、政府は企業に向け、女性管理職の比率を上げるよう通達し、2020年までに就業者全体に占める女性の割合を30%にまで引き上げることや、上場企業では役員に少なくとも女性1人を加えるよう要求した。各政府機関でもこの規定は実行され、2013年11月には日本内閣では経済産業省の審議官・山田真紀子氏を首相秘書官に任命した。山田氏は戦後初の女性首相秘書官となった。

■容易ではない女性の「逆襲」

しかし、政府の手厚い政策に関して、日本の女性たちはほとんど感謝していないようだ。厚生労働省が行った2013年の「若者の意識に関する調査」によると、15−39歳の独身女性のうち、3人に1人が「専業主婦になりたい」と答え、61%が「女性は仕事よりも家事や子育てをするべき」と答えている。「夫を安心させるためにも、全力で仕事をすることが妻の務め」と答えた女性は29%のみだった。

日本の女性はなぜこんなにも野心がないのか?これは、女性を取り巻く世の中の情勢に敏感であることを示している。日本の女性は、家庭内であれば家計を握れるが、職場には昔と変わらず男女差が存在し、昇進や報酬といったチャンスも男性に比べて遥かに少ない。

大手製薬会社の役員を務める鳥取桂氏は、「職場に存在する目に見えない壁だけでなく、最も重要なのは、家事や子育ては女性の仕事という家庭概念を変えることだ」と指摘する。鳥取氏は、「日本社会では、『主婦』の観念は非常に深く浸透している。そのため、政治家や財界の人々の思想も保守的で、表面的には男女平等や女性の活用によって経済を活性化させると提唱しながらも、実のところは女性を出生率を高め、人口を増やすための手段としか見ていない」という見方を示す。

「ほとんどの会社は女性雇用に対して消極的」とパソナグループの役員深澤旬子氏も嘆く。深澤氏と部下の男性社員と一緒にクライアントに会っても、いつも部下に間違えられる。このため、深澤氏は初めて人に会う時には、まずは自分が責任者であることを伝えるのだという。

経済協力開発機構(OECD)のデータによると、日本の正社員のうち、女性正社員の賃金は男性の71%(米国では81%)で、肉体労働を伴う職種の女性正社員の賃金は男性の70%だった。

世界経済フォーラム(WEF)の「2013年男女平等度ランキング」によると、日本は136カ国・地域中105位で、北欧諸国の足元に及ばないだけでなく、69位の中国よりも遥かに低い評価だった。

実のところ、細部に注意してよく観察してみると、安倍首相が絶えず日本は男女平等性を立法化し、女性が継続して働くことを奨励すると同時に、女性の産休を改革するなどの政策を実行すると豪語しているが、どれもいまだに実行されていないことに気付く。

米国ウェスタンケンタッキー大学社会学の根元美子准教授は、「女性の社会進出を促進するという安倍首相の言論は、これによって日本の国際イメージを変えたいという思惑に過ぎない」として、「特に企業の実権を握っている保守的な年齢層に、特権を手放す意志は全くない」と指摘する。

日本の社会保育サービスの整備の遅れもまた、女性の社会進出を阻む要素の一つだ。慶応義塾大学の鶴光太郎教授は、「社会育児サービスはいまでも大幅に不足している。保育園の不足や地理的に送り迎えが不便といった状況も、職場復帰したい女性にとって深刻な悩みとなっている。また、仕事と家事、育児を両立できないという伝統的な考えを持つ女性も少なくない」と語る。

このように、日本女性の「逆襲」への道のりはまだまだ遠い。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/TF)

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