ロシアの野心か、米国の勝利か?ウクライナ問題の「一面論」は間違っている―中国メディア

Record China    2014年3月21日(金) 21時44分

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18日、ロシアはクリミアのロシア編入を宣言した。ウクライナ危機は一段と国際世論の嵐の中心となり、様々な声が飛び交っている。写真はウクライナ・キエフ。

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2014年3月18日、ロシアはクリミアのロシア編入を宣言した。ウクライナ危機は一段と国際世論の嵐の中心となり、様々な声が飛び交っている。ロシアの「大国の野心」がついに現れたという人もいれば、米国が「最後の勝者」になるだろうという人もいる。こうした言い分の着地点がいずれも「勝つか負けるか」の時代後れの思考であり、選択的認識の偏りを露呈するもので、いずれも間違った「一面論」であることに目を向けるべきだ。

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ウクライナ問題の認識には全局的観点が必要であり、現在に目を向けると同時に、歴史にも考慮する必要がある。一面的な認識、単純化した処理は現実的姿勢ではないし、ましてや問題の解決にはならない。

「各時代の経済生産およびそこから必然的に生じる社会構造は、その時代の政治的、精神的、歴史的基盤である」。基盤が堅固でなければ、地は動き、山は揺れる。ウクライナの長期的混迷は、ソ連崩壊という「政治的断層帯」でのモデル移行の後遺症を物語っており、解決にはまだほど遠い。言い換えるなら、根本的問題が解決されていないことが、ウクライナの社会構造の脆弱性を決定づけている。そのため、歴史的に形成された経済的欠陥、民族的多様性、アイデンティティの未統一はいずれも、少しの異変でもあれば、もめ事の導火線に転化しうる。混迷するウクライナ危機を大きな国際的環境から観察すると、冷戦思考がいまだに根絶されていないことに気づく。ウクライナで危機が生じるたびに、大国間の強硬な対立が生じる。かつての「冷戦の碁盤」はもう存在しないにもかかわらずだ。

ウクライナ問題をめぐり、最近西側では様々な省察が聞かれる。「歴史を再び学ぶ必要がある」と、時代が変ったことを認める声もある。「冷戦の再来は誰も望んでいない」「冷戦は恐ろしい危険な行動だ。(米露)双方の指導者ともに、一歩間違えば底知れぬ深淵に陥ることをはっきりと理解しているからだ」。「ウクライナで暴力と不安定が続いていくことはロシアの利益にも、全世界の利益にもならない」ことに気づいている人もいる。

冷戦を自ら体験した米国のキッシンジャー元国務長官は「対立」への懸念と疑問を表明。「(ウクライナ問題の)試練は絶対的満足ではなく、均衡ある不満足を得ることにある」「もしウクライナを東西対立の一部と見なすのなら、ロシアと西側(特にロシアと欧州)を国際協力システムに組み入れる希望は今後数十年間失われる」と述べた。ドイツのフィッシャー元外相は「ブリュッセルはウクライナの親EUの方向への発展を煽ったうえ、ロシアの訴えを長い間一顧だにしなかった。これは危険を冒す行為だ」と指摘した。EU対外関係委員会の専門家は「ウクライナ問題において、EUは最初から過ちを犯していた…EUは自分でさえ準備のできていない衝突を画策した。今や危機に対して適切な対応を取る手段が全くない」とさらに率直に述べた。米国のある元アイオワ州議員は「相互尊重、相互理解を基礎に、苦しく長い交渉を通じて、共通利益を追求して初めて、相互敵視、怨恨、非難の悪循環を脱する希望が出てくる」と指摘した。

こうした省察の価値は、双方に配慮する均衡的姿勢で複雑な問題に向き合うことにあり、現代における国際関係問題処理の現実的姿勢をある程度代表するものだ。

現状を見ると、ウクライナ問題で「悪循環」を脱するのは大変困難だ。だが関係各方面が冷静さと自制を保たなければ、さらに悪い結果が生じるだろう。どうあろうとも、あらゆる極端な暴力行為に反対することが必須であり、国際調整も必要だ。最も肝要なのは、法律と秩序の枠内で、ウクライナの各民族、各地区の人々の根本的利益を十分に考慮し、緊張のエスカレートを避け、対話と交渉を通じてできるだけ早く問題を解決することだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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