元徴用工訴訟、日本企業の資産現金化手続き進む、「来月30日に差し押さえ命令効力」と韓国紙

Record China    2020年11月15日(日) 11時20分

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元徴用工訴訟で韓国最高裁から賠償を命じられた日本企業の資産を現金化する手続きがさらに進んだ。韓国紙は「差し押さえ命令は来月30日に効力が発生する」と報じた。

徴用工訴訟で韓国最高裁から賠償を命じられた韓国内の日本企業の資産を現金化する手続きがさらに進んだ。大田地裁が三菱重工業に韓国内資産の売却に関して意見を聞く「審問書」などの「公示送達」の効力が10日に発生。韓国紙は「差し押さえ命令は来月30日に効力が発生する」と報じた。

ハンギョレ新聞によると、原告側は昨年3月22日、大田地裁に三菱重工業の韓国内商標権と特許権の差し押さえと売却命令を下すよう求め提訴した。原告側は「強制労働」について2012年10月に光州地裁に損害賠償請求訴訟を起こし、最高裁は18年11月に三菱重工業に対し、被害者1人当たり1億~1億5000万ウォン(約941万~1410万円)の慰謝料を支払うことを命じる原告勝訴の判決を言い渡した。

原告側が大田地裁に提出した債権額は、既に亡くなった1人の原告を除く4人分8億400万ウォン(約7560万円)で、差し押さえ対象の三菱重工業の資産は特許庁に登録された商標権2件と特許権6件だ。裁判所は弁論期日を決めて4回裁判を開いたものの、三菱重工業側は出席していない。原告側の弁護士は「(被告側は)裁判所に対して特に返事をしていないと聞いている。いつまでも執行結果を待ってばかりはいられない状況」と述べた。

公示送達は訴訟相手が書類を受け取ったという事実確認が難しい場合に、裁判所の掲示板、官報などにその内容を掲載すれば、当事者に渡ったと認める制度。大田地裁は10月7日に審問書と差し押さえ命令決定文などの公示送達を決定している。審問書は10日午前0時をもって効力が発生し、差し押さえ命令は12月30日午前0時に効力が発生する。法曹界によると、公示送達した審問書の効力が発生したということは、裁判所がこれ以上訴訟相手を審問せずに判決を下すということになるという。

原告側の弁護士は「通常の公示送達の手続きからすると、12月30日午前0時を起点として差し押さえが可能となる。ただし、三菱重工業側が審問書の公示送達に対して異議を提起すれば、裁判所に審問開始申請をすることになる。差し押さえ命令の公示送達が行われた後に異議を提起すれば、差し押さえ命令に不服を申し立てて抗告するということを意味する」と指摘。「事案によっては差し押さえと売却までに時間がかかることもある」と説明した。

元徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国最高裁判決をめぐっては、大邱地裁が日本製鉄に公示送達。効力が発生する12月9日以降に地裁が売却命令を出す可能性がある。(編集/日向)

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