品質問題をごまかすニコン、ネットユーザーが猛反発―中国メディア

Record China    2014年3月20日(木) 6時30分

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18日、消費者保護特別番組がニコンの一眼レフカメラ「D600」の黒点問題を報じると、ニコンの中国法人は公式微博(ウェイボー)を利用し、シャッターもしくは部品などの無料点検・清掃・交換を実施すると表明した。写真は中国のデジタルカメラ売り場。

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2014年3月18日、中国中央テレビ(CCTV)の今月15日の消費者保護特別番組が、ニコンの一眼レフカメラ「D600」の黒点問題を報じると、ニコンの中国法人は公式微博(ウェイボー)を利用し、シャッターもしくは部品などの無料点検・清掃・交換を実施すると表明した。経済参考報が伝えた。

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丁重な言い回しだが、品質問題を認めていないことから、ニコンはネットユーザーから「本質的な問題に触れず、誠意がない」といった批判を浴びている。さらにネットユーザーが受け入れられないのは、ニコンが問題を認めないばかりか、製品のリコールに対してダブルスタンダードを設けていることだ。あるネットユーザーは、「法整備の不足と製品基準の制定の遅れから、海外企業は中国人消費者をないがしろにしている」と指摘した。法制度の完備、国家の強制性基準の整備が当面の急務となっている。

◆品質問題に触れず、火に油を注ぐ結果に

「黒点問題」が明らかになると、ニコンの中国法人は公式微博で情報を発表したが、品質問題については明言を避けた。

ニコンの中国法人は16日、「当社は、番組のD600に関する報道を重視している。当社は関連するアフターサービスのフォローを発表しており、全国サービス店で積極的に対応する」と表明した。

ニコンの中国法人は同日午後6時41分に再び、「カメラの個体差により、同現象を完全に解消できない可能性があるため、当社は中国の『三包法』(製品の修理・交換・返品の関連法)に基づきさらなる措置を講じ、D600のユーザーに安心して使用してもらえるよう努力を続ける」と表明した。

ニコンの中国法人は17日に再び公式微博で、D600の一部製品の問題により消費者に迷惑をかけたことについて心からの謝罪を表明し、「これまで通り中国人消費者の権益保護法および製品の『三包』の関連規定に基づき、世界範囲でD600の統一的な対策を講じる。また市場に流通しているD600については、3月16日より全国範囲でD600の撤去処分を進める」と繰り返した。

あるネットユーザーは、「製品の欠陥を認めず、ニコンは消費者を損させようとしている」と指摘した。別のネットユーザーも、「一部の製品の問題であるのかロットナンバーの問題であるのか、多くの問題製品が消費者に迷惑をかけているのか。これらの問題については説明しなければならず、ニコンの態度には大きな問題がある」、「ニコンは明らかな欠陥の存在するD600に対して、直ちにリコールを実施するべきだ」と批判した。

◆中国人消費者への差別

品質問題を否定することよりも、ニコンの中国および海外市場での異なる態度が、ネットユーザーの不満を招いている。

メディアは、「法律関係者と米国の撮影専門サイトによると、米国の一部の消費者はD600をD610に無料交換するサービスを受けている」と伝えた。

ネットユーザーは、「世界基準ならば、米国ではD610に交換するのに、中国では部品しか交換しないのはなぜか?」、「ニコンのダブルスタンダードにはお手上げだ。欧米と中国に異なる基準を設けているとは」とコメントした。

このような差別に対して、ネットユーザーは不慣れなわけではない。メディアの報道によると、東芝製の58万3000台の洗濯機に発火の恐れがあることから、日本と台湾でのリコールが発表されたが、中国本土は対象外となった。またあるメディアはかつての似通ったケースを整理し、ソニー、トヨタ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、イケアなど多くのグローバル企業が、問題製品をリコールする際に中国を例外なく「無視」していることを明らかにした。

ネットユーザーは、「グローバル企業は中国でなぜ偉そうにしているんだ?リコールも交換もしないなんて?」、「関連法の不備や空白により、外国企業は中国人消費者を蔑視している」、「多くの外国企業は法律の抜け穴を通っており、世界的なリコールで中国が対象外になることが多い。これらの企業は法制度の整った国では、大人しく唯々諾々としている」と追及した。

◆制度面の改善が必要

あるネットユーザーは、「国内にはリコール制度の土壌がなく、リコールを実施しなくても外国企業にはそれほど大きな利益の損失が生じない。海外企業が中国で生産する製品の品質基準は、各国で生産される製品の基準と異なっていても構わないのだから、リコールならばなおさらだ」と指摘した。

多くのネットユーザーは、中国のリコール制度と品質基準の制定は、先進国に大きく後れを取っており、対象範囲が不明で基準が詳細でないといった問題があり、この不備を補う必要があると考えている。

あるネットユーザーは、「品質基準の制定は国際社会に大きく遅れを取っている。市場は世界と足並みを揃えているが、品質基準やリコール制度の足並みは揃っていない。これは海外企業にリコール拒否、責任回避の口実を提供している。制度の改善と法律の修訂は、紛れもなく当面の急務だ」と呼びかけた。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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