Record China 2014年3月21日(金) 8時3分
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19日、日本銀行(中央銀行)の黒田東彦総裁はこのほど、4月の消費税率引き上げによる打撃に備え、量的緩和の拡大による経済活性化策の準備を進めており、データをみて消費税率引き上げによる衝撃がどれくらいのものかを明らかにする必要はないと述べた。資料写真。
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2014年3月19日、日本銀行(中央銀行)の黒田東彦総裁はこのほど、4月の消費税率引き上げによる打撃に備え、量的緩和の拡大による経済活性化策の準備を進めており、データをみて消費税率引き上げによる衝撃がどれくらいのものかを明らかにする必要はないと述べた。国際商報が伝えた。
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黒田総裁が昨年就任してから、日銀は毎年60兆−70兆円の量的緩和策を実施して2%のインフレ目標を達成させ、長年にわたり経済成長を押さえ込んできたデフレを終息させた。
先月末に発表されたデータによると、日本の1月の生鮮食品を除いたコア消費者物価指数は年率換算で1.3%上昇して8カ月連続の上昇となり、ここから日本経済が15年続いた緩やかなデフレから脱却しつつあることがわかった。このことは日銀が引き続き量的緩和政策を拡大する上での「土台」を提供するものともなった。消費税率引き上げが迫り、日本の量的緩和拡大の足音も近づいてきたとみられる。
消費税率引き上げにより日本政府の財政収入が増え、政府債務にかかる圧力は軽減される。現在、日本の政府債務規模は経済規模の245%に達しており、国際通貨基金(IMF)の予測によれば、この債務比率は世界最高で、ギリシャですら179%、米国は108%だ。
とはいえ、消費税率を引き上げれば消費者は消費を控えるようになり、景気にとってはマイナスになる。こうした影響に備えて、日本政府は量的緩和政策を通じて市場に流動性を注入し、さらに企業への貸出規模を拡大しようとしている。そうなれば企業の規模拡大や経済発展にプラスになる。
安倍晋三首相は今年のダボス会議で、最高38%の法人税率を引き下げれば、日本経済が持続可能な成長の道を歩む上で力強いエネルギーを注入することになると繰り返し強調した。
だが量的緩和政策がインフレ率を期待通りに引き上げたとすれば、これは日本国債の実際の利回りが低下するということであり、日本国債への需要が減少して、新規発行の国債の利回りの上昇とストックの国債の市場価格の低下を招くことになる。こうした状況が出現すれば、日本政府が背負う財政負担は拡大し、銀行や市民の財産に損失が出て、日本政府は進むことも退くこともできない苦境に陥ることになる。
これと同時に、日本円が国際通貨であることから、量的緩和がもたらす円安は日本の貿易パートナーにも影響を与えるとみられる。
韓国貿易協会の下部機関である国際貿易研究院が今年1月に発表した年度報告によると、韓国の2013年の対日輸出額は346億9400万ドル(約3兆5000億円)に上り、12年比10.6%減少した。08年の金融危機以降で、韓国の対日輸出額が2けた減少したのはこれが初めてだ。
同協会が対日輸出を手がける韓国企業301社を対象に行った調査によると、95%が円安により対日貿易に損害が出たと回答し、このうちレート・両替によって損失を被ったところは48.8%に上り、輸出額が低下したところは23.9%、輸出交渉や契約の問題で損失を被ったところは21.9%に上った。特に影響がなかったとする企業はわずか1%だった。円安の影響を受けた韓国企業のうち、資金をめぐって問題が起きた企業は14.6%、輸出を一時的に停止した企業は8.3%だった。
日中貿易にも円安の影響が出ている。中国税関総署がまとめた統計によると、米ドル建てで計算した場合、13年の中国の対日輸出は前年比0.9%減少した。同じ時期の日本を除く主要貿易パートナーへの輸出額はいずれも増加している。
注意しなくてはならないのは、日本の量的緩和政策によって増加した流動性は、一部が実体経済に回ったが、グローバル金融市場に回った部分もあるということだ。これにより世界の流動性が過剰になり、大口商品の価格が引き上げられ、中国に輸入型インフレのリスクがもたらされた。
このほか世界の流動性の増加がホットマネーも増加させ、人民元レート変動幅が拡大するという条件の下で、ホットマネーが中国に流入するリスクが高まり、中国の金融の監督管理への圧力が増大した。
このため、日本が量的緩和を拡大する政策を選択するなら、中国は対応策を採る必要があるといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)
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