<コラム>中国で「新型ローン詐欺」蔓延、数万人が犠牲に!

内藤 康行    2020年11月21日(土) 7時20分

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中国では定型ローン、起業ローン、研修ローン、キャンパスローンは国家の厳重な管理・処罰措置が導入されコントロールされている。それでも世間では「新型ローン詐欺」が絶え間なく出現し、拡大している。資料写真。

中国では定型ローン、起業ローン、研修ローン、キャンパスローンは、国家の厳重な管理・処罰措置が導入されコントロールされている。それでも世間では「新型ローン詐欺」が絶え間なく出現し、拡大している。この「新型ローン詐欺」はこれまでの詐欺とは異なり、被害者は詐欺師が提案する「甘いローン」の誘惑に駆られ、詐欺師に騙されるケースが増加している。

しかし、現在の「新型ローン詐欺」は、登場してからそれほど長くはないが、あるメディアの報道によると、まだ社会経験が少ない大学生がこの「新型ローン詐欺」の餌食となっており、詐欺額は数千元(約数万円)から数十万元(約百万円)に及んでおり、その影響は甚大だと伝えている。

また、ある研究機関の統計によると、今年上半期で、モニタリングで見つかった各種ローン詐欺に関連する世論情報は28万8000件以上に上り、そのうち「新型ローン詐欺」では9万3000件で32.14%を占め、今もなお増速している。では、この「新型ローン詐欺」は実際にどのように欺くのか?そして如何に騙されないようにすればいいのか?

まず、この「新型ローン詐欺」の特定ルーチンは2つのタイプに分けられる。

1つは、オンライン貸付プラットホームアカウントの登録者、またはローン記録を持っている人向けへの場合だ、詐欺師は「関連する関連政策に基づき、アカウント抹消と記録削除する必要がある。そうしないとあなたの信用情報に影響する」と騙し、そして被害者は詐欺師に抹消や削除に必要な詳細な情報を提供してしまう。詐欺師が言う抹消や削除プロセスには、被害者の金を「合理的に」騙し取るプロセスが潜んでいる。被害者は詐欺師のその手順に従う限り騙され続ける。不用意に個人情報を詐欺師に渡した瞬間に、次の詐欺の罠に嵌まることになり、結局被害者の資金損失は膨れ上がる仕組みとなっている。

もう1つは、オンライン貸付プラットフォームアカウントの非登録者、或いはローン記録を持っていない人の場合。詐欺師は、「あなたのID情報が盗まれているから、登録しているオンライン貸付アカウントを、登録抹消する必要がある。そうしないと、信用情報に影響する」と騙し、さらにどういうわけか、詐欺師は、本名、ID番号、学校名、消費者記録などの個人情報を正確に被害者に伝えることができるため、いとも簡単に被害者の信頼を獲得する。これは特に社会経験の少ない学生や新卒者の警戒心を緩めさせる効果は絶大である。一部の詐欺師は、信頼を得るために率先して身分証明書やその他の情報を被害者に開示し安心させる。その結果、騙された被害者は最終的に、オンライン貸付プラットフォームから引き出されたすべてのローンは詐欺師の「個人口座」に振込まれる仕組みとなっている。

恐ろしいことに、この「新型ローン詐欺」の詐欺師たちは、一般の人々の恐怖心を煽り、ローンの信用情報に関する知識の少なさに付け込み、そして過去のローン記録の問題対処方法を知らない被害者の行動を簡単に操ることができる。

以上のような詐欺にあわないためには、金融ローンの仕組みと信用調査の基本的な知識を学べば、詐欺師の偽話を簡単に見抜くことができる。

実際にオンライン貸付ローンを組んだが返済できない場合は、返済不能申告や警察などの正式なチャネルを通じて口座を抹消する必要がある。信用情報でローンの影響を受ける場合、悪意のある延滞がない限り、過度に心配する必要はなく、影響もない。説明することで対処は十分に可能なのだ。

■筆者プロフィール:内藤 康行

1950年生まれ。横浜在住。中学生時代、図書館で「西遊記」を読後、中国に興味を持ち、台湾で中国語を学ぶ。以来40年近く中国との関わりを持ち現在に至る。中国の環境全般と環境(水、大気、土壌)に関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中国環境事情リサーチャーとして情報を発信している。著書に「中国水ビジネス市場における水ビジネスメジャーの現状」(用水と廃水2016・9)、「中国水ビジネス産業の現状と今後の方向性」(用水と廃水2016・3)、「中国の農村汚染の現状と対策」(CWR定期レポ)など。

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