<マレーシア機不明>航空業界の安全対策に懸念―中国メディア

Record China    2014年3月15日(土) 1時50分

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14日、マレーシア航空MH370便が消息を絶って以来、中国を含む数カ国が大量の艦船や航空機を派遣して捜索活動を行っており、少なからぬ陸・海・空軍設備や人的資源が投入されている。写真は空港の保安検査場。

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2014年3月14日、マレーシア航空MH370便が消息を絶って以来、中国を含む数カ国が大量の艦船や航空機を派遣して捜索活動を行っており、少なからぬ陸・海・空軍設備や人的資源が投入されている。しかし現在もなお、所在は不明のままだ。乗客の家族や国際社会の間でも大きな波紋が広がっており、なるべく早い航空機不明の原因解明が期待されている。(文:華益文(ホア・イーウェン)国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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時間の経過とともに、人々の心の中に、奇跡への期待と同時に、一つの疑問がついて離れなくなっている。かくも巨大な飛行機がなぜ忽然と姿を消したのか?なぜこれほどまで大規模な捜索活動が行われているにもかかわらず、何の手がかりもつかめないのか?続いて別の問題も浮かぶ。このような事件が二度と起きないようにするには、どうすればいいのか?

すでに明らかになっている状況を見ると、今回のマレーシア機不明事件は航空業界の安全対策に対して少なくとも二つの問題を提起しており、深く反省する必要がある。

■新技術を導入した新しいブラックボックスの搭載

現在の旅客機には、データ通信により航空機と地上管制機関との間で情報交換を行う航空機空地データ通信システム(ACARS)を含む一連の安全保障やナビ通信設備・システムが搭載されている。2009年、ブラジルからフランスに向かっていたエールフランス447便が大西洋で突然消息を絶つ直前の4分間に、システムは自動的に24もの技術的トラブルを報告する情報を発信していた。

いずれの飛行機事故でも、事故後収集したブラックボックスを通して何が起こったのかを解明する。現在の問題は、このマレーシア航空MH370便は連絡を絶って100時間以上たった今も、航空機がいつ、どこで、何が発生したのかがわかる手がかりが全くつかめないことだ。これは、飛行機の安全に関するデータ情報システムや設備が作用しなかった、あるいは肝心なときに根本的に役に立たないことを示している。

一般の人は現在の飛行機の複雑な構造や技術に対してまったく知識がない。しかし、それでも納得できないのは、携帯でさえ人工衛星を利用した位置確認システム(GPS)が搭載されている現代社会において、さらに言えば、人類が即時に衛星や宇宙船を遠隔操作できる時代において、なぜ航空機はより効果的な即時情報送信できる通信システムを研究開発できないのか?マレーシア航空MH370便が消息を絶って以来、世界中の経験豊かな民間航空機のパイロットたちが、「伝統的なブラックボックスをアップグレードさせた、衛星システムに拠る情報の即時送信・保存が可能なブラックボックスを迅速に完備するべきだ」と訴えている。

また、国際民間航空旅客機のグローバル・ナビゲーション衛星システムをなるべく迅速に整備するほか、レーダーサーチとトラッキングシステムの死角をできる限り無くし、飛行士と地上管制機関の間の通信連絡システムと安全対策を改善するべきだ。人類は今回の痛ましい教訓の中から、より優れた技術や安全対策によって本来の不足部分を補うことを検討するべきだ。

■安全管理システムの不備を是正する

今回の事件では、偶然にも盗難パスポートを使用して乗り込んだ二人の乗客の存在が発覚した。初動調査の結果によると、この乗客はテロリストではなく、北京からドイツに向かおうとしていた中東人であることが明らかになっている。しかし、このような結果を聞いても、全く安心できない。なぜなら、乗客の身元確認のうえで、重大な安全上の問題が存在していることが発覚したからだ。まさに国際刑事警察機構の担当者が、「現在の段階で、盗難されたと推定されるパスポートと不明になったマレーシア機の関係性を結論づけることは時期早々」と語るとおりだ。しかし、国際便の乗客の中に、国際刑事警察機構データバンクに登録された盗難パスポートを使用した人物がいるという事実は、人々を極めて不安にさせた。国際刑事警察機構は世界各国に向けて4000万の遺失・盗難されたパスポート情報を提供している。しかし、このデータバンクを利用して乗客のパスポートの真偽を調べている国は非常に限られている。民間航空機の異常事態が発生したことを伝える情報はもっと迅速で有効的でないとならない。今回の事件は、一連の安全管理システムにおける不備の可能性をさらけ出した。

捜索は今も継続して行われている。消息を絶った旅客機を心配するあらゆる人々も同様に希望を抱き続けている。一縷の希望がある限り、簡単にそれを捨てるべきではない。これは、一人一人の生命に対する責任だ。同様に、かけがえのない命のために、人類は教訓を学び続けなければならない。安全システムや捜索活動の効率を上げるため、粘り強く、絶えず進歩を求めて努力していくべきだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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