中国富裕層、投資ビザ申請却下でカナダ政府に提訴の構え―中国メディア

Record China    2014年3月8日(土) 19時12分

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4日、申請・受理された投資家向けビザがカナダ政府から却下されたことをめぐり、中国人富裕層10人が北京で記者会見を開いた。写真はバンクーバー。

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2014年3月6日、「中国人富裕層がカナダ政府を訴える」―AP通信やカナダCBCラジオなど複数のメディアが伝えたところによると、申請・受理された投資家向けビザ(投資ビザ)がカナダ政府から却下されたことをめぐり、中国人富裕層10人が4日、北京で記者会見を開いた。環球時報が伝えた。

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「カナダ政府が先月発表した『投資家向け移民制度を一律廃止する』措置は、極めて不公平で信用を失墜させる措置だ」と訴え、ビザ発給を却下したカナダ政府を提訴する構えを明らかにした。カナダ政府は4日、これについて、『今回の措置によってビザ発給を却下された申請者に対し、申請費用は全額返金する。政府は今回の措置は公平かつ公正なものであると認識している。投資ビザは廃止されるが、専門技術職員や技術プロジェクト企画担当者向けの技術移民ビザについては、今後も条件を満たす申請者に発給を続ける」との見解を示した。

カナダ政府は2月11日、「投資移民計画」と「企業家移民計画」を廃止すると正式に発表した。今回の措置により、移民を申請した約4万6000人の中国人に影響が及んだ。カナダCBCラジオ報道によると、中国各地の富裕層10人が4日、北京市に集まり、カナダ政府は「ビジネス面での信用を失う」と訴えた。ビザ申請者の一人である男性は、「私は従来のビザ申請条件を満たしており、カナダへの移住準備を長年かけて進めてきた。今回、カナダ政府は突如投資ビザの廃止を発表したが、事はそれほど簡単には済まされない」と語った。5日付サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、申請者の中には、2009年に移民申請を行った人、すでにカナダに不動産を購入した人、先に子供をカナダに留学させた人などがいる。ある申請者は、「カナダに移民を申請した人は『最悪の決定』をしたことになる」と訴えた。投資移民計画がスタートした1986年以降、カナダは約13万人の投資移民を受け入れており、そのほとんどが中国人だ。4日の記者会見を主催したカナダ移民専門コンサルタントは、「カナダ政府への訴訟に向けて動き出した弁護士もいる」と話した。

一方、カナダ政府の態度は極めて明快だ。カナダ市民権・移民省報道官のRemi Lariviere氏は4日、「連邦政府は、本来の目的に沿わないプロジェクトに国民の税金を無駄に投入することはできない。投資移民計画は不当な目的に濫用されるケースが多く、カナダ政府の利益に合致するとは言えない。もちろん、投資移民の中には、カナダに定住して大きく貢献している人々がいることは認める。だが、今後は別のより良い施策を講じることができると我々は信じている」とコメントした。

カナダ紙グローブ・アンド・メールによると、カナダ政府を訴えると言いだした人は全員、一般の中国人からすると富裕層であり、今回の要求が中国人から共感を得ることはほぼないだろうという。これらの申請者たちは、カナダが投資移民計画廃止を正式に撤回するのを待って、正式に起訴する構えを見せている。また、カナダの国会議員に向け、「一律廃止は、違法であり反道徳的」と非難する手紙を送った。しかし、これらの申請者たちは、カナダ永住カード(メープルカード)を所持していないため、法律にのっとった起訴の方法について知識を持っていない。グローブ・アンド・メール紙は「カナダ政府が投資移民制度を廃止したのはあまりにも問題が多すぎるためだ。この20年間、投資移民が納めた税金の平均額は家政婦の納税額より少ない。さらには、2011年に行われた調査では、申請時の添付資料を偽造していた投資移民が全体の8割以上を占めるという疑惑も浮上した」と指摘している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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