<コラム>日中合作映画『空海』とディズニー実写映画『ムーラン』のロケ地へ行ってみた

関上武司    2020年10月18日(日) 23時0分

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日中合作映画の『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』と新型コロナの影響で公開が延期されたディズニー実写映画『ムーラン』のロケ地の撮影所へ行ってみた。

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日中合作映画の『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』(原題:妖猫伝、以下『空海』)と新型コロナの影響で公開が延期されたディズニー実写映画『ムーラン』のロケ地の撮影所へ行ってみた。場所は湖北省にある襄陽唐城影視基地で、高速鉄道駅の襄陽東駅からタクシーで片道40分程度かかる。基本的に中国の撮影所の影視城は都市の中心部から離れていることが多く、映像に高層アパートとかを映り込まないようにする配慮と考えられる。

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筆者は2018年に日本で公開された『空海』を映画館で鑑賞し、個人的に一番印象に残っているのはロケ地の襄陽唐城影視基地の凄さだった。筆者は2019年1月に同影視基地へ訪問し、園内を急ぎながら撮影したものの、4時間以上かかるレベルの敷地の広大さ(面積370万平方メートル)だ。唐の時代の建物を作りこんだ園内には、冬場なのか観光客は非常に少なかったが、各所で撮影もしくは撮影の準備が行われていた。撮影スタッフが地面に白い粉末を撒いており、粉末の袋には工業用の塩(中国の僻地には巨大な塩湖が見られ、塩を採取する工場も存在する)と表記。実際の映像では雪景色として認識されていることだろう。撮影用の衣装を着用した役者や大勢のエキストラが見られ、非常に活気があった。

筆者は小学生だった頃、割と時代劇を視聴しており、特に『三匹が斬る!』が好きだったこともあり、現在はここまで日本の民放で時代劇が衰退するとは想像できなかった。筆者の中国影視城ネタで毎回、言いたくなるのは中国の番組制作費用の方が日本と比べて潤沢だということだ。中国滞在中にテレビを視聴すると、ツッコミ所が多くて逆に面白い抗日ドラマもあれば、学術的なドキュメンタリーを放映するチャンネルも存在し、見どころも多い。最近の日本のテレビ番組よりも面白いのでは?と言いたくなるが、筆者はそもそも日本のテレビ番組を近年はまともに視聴していないのだった…。

同影視基地に訪問した『空海』の原作者の夢枕獏氏もいたく驚かれていたが、敷地内に再現された唐皇宮、青龍寺、高力士宅、街並みを見れば納得で、2015年に開園しているので中国の撮影所の中でも新しい部類に入る。中国映画やドラマのファンならば、新型コロナが収束したら同影視基地への訪問をお勧めしたい。ディズニー実写映画『ムーラン』で同影視基地がどのように撮影されたのか鑑賞してみたいのだが、読者諸兄もご存知のようにDisney+(ディズニープラス)に登録しないと視聴できないこともあり、現段階では諦めている。

■筆者プロフィール:関上武司

1977年の愛知県生まれ。愛知大学経営学部卒。中国で留学や駐在員としての勤務経験あり。日本や中国のB級スポットを紹介するブログ・軟体レポートの管理人。中国遊園地の取材で中国の全省、全自治区、全直轄市へ訪問。会社員の傍ら、「中国遊園地大図鑑」シリーズを執筆し、メールマガジンのロードサイダーズ・ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行」を連載中。このほかイベントも開催している。

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