「幽霊探知機」アプリが人気、背後に「負け組男性」のクチコミ経済効果―中国

Record China    2014年3月5日(水) 0時33分

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3日、「幽霊探知器」というおどろおどろしい名前の携帯用娯楽アプリが、サラリーマンの間でブームとなっている。

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2014年3月3日、「幽霊探知器」というおどろおどろしい名前の携帯用娯楽アプリが、サラリーマンの間でブームとなっている。瀋陽晩報が伝えた。

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携帯のカメラを使って「幽霊」をキャッチすることができるというこのアプリをめぐって、スマホ用チャットアプリの「微信(WeChat)」の「友達圏」には、膨大な数のコメントが寄せられている。ネットユーザ―「竜児格格」さんは、「誰もがこのアプリで遊んでいる。家の中で200以上の幽霊の姿を撮った女の子もいて、思わず、大勢の幽霊が踊る仮面舞踏会の一幕を思い浮かべてしまった」と書き込んだ。「竜児格格」さんのほかにも、探し出した幽霊の写真をネット上に公開する人もいた。

アプリ開発チームは、ソフトウェアダウンロード時の注意として、「このアプリはあくまでも娯楽目的のものです」と明記しているが、「心底恐く感じた」と公言するネットユーザーがいたことも確かだ。また、人気アプリのバイタル(クチコミ式)マーケティングや背後に潜む「◆糸(◆=尸に吊、貧乏で不細工でモテない負け組男性)経済」は、専門家たちにとって格好の話題となっている。

○サラリーマンの間で大ヒット

ネットユーザ―「白小姐」さんは、微博の友達圏で「韓国ドラマ『星から来たあなた』を観賞する私の横で、夫は『幽霊探し』に夢中。9歳の幽霊だけが、とてもすばしっこくて捉えられない。」と、「人気韓国ドラマ」と「幽霊探知アプリ」という2つのホットな話題について投稿した。

「白小姐」さんは、家で探し出した「幽霊」の写真を公開した。携帯の画面には、人間の形をした、グレーがかった黒い物体が映っている。画面の右上には、ゴーストのタイプ、年齢、周波数などの情報が表示されている。「幽霊」の部類に入るそのゴーストは、年齢223歳、周波数は0.2352とのことだ。

アプリ開発チームは、「幽霊探知機」アプリの公式ダウンロードページで、「超自然的現象は、科学的な裏づけによるものではなく、このプログラムはあくまでも『娯楽』目的のもの」と明確に示している。それでもなお、「心底驚き、恐怖を感じた」とコメントするネットユーザーもいる。ある女性は、「周りの友達の多くが、『幽霊探し』で遊んでいる。私もソフトをダウンロードして、金曜の夜に一人で家にいる時に試してみると、一枚の映像をキャッチした。その晩は、怖くてなかなか寝つけなかった。ただの遊びだと分かっていても、つい様々な想像が頭の中を駆け巡った」と話した。

○開発の難易度は高くない「幽霊探知」アプリ

国内ソフトウェア大手・東軟集団のシニア顧問を務める●雷(●=刑の部首がおおざと、シン・レイ)氏は、「幽霊探知機」アプリの設計原理について、次の通り説明した。

このからくりは極めてシンプルだ。ユーザーがアプリを起動させてカメラ機能をオンにすると、携帯のセンサーがユーザーの方位情報を確定する。その後、幽霊の方位が無作為に設定され、ユーザーがその方位に向くと、画面に「幽霊」の影が映るという訳だ。

「幽霊」の影は、フィルムを幾重にも重ねる技術が用いられている。開発者は、前もってさまざまな「幽霊」の影の画像を作り、ユーザーがカメラを開いた時、無作為にそれらの画像をどんどん重ねていく。以前流行したアート写真作成ソフトと同じようなものだ。「幽霊」を見つけると、機械音がそれを知らせると同時に、いくつかの情報が発信される。これは単に、リアルな恐怖感を高めるための演出効果だ。

アプリストアで調べてみると、「幽霊探知器」に類似したアプリが山ほどあった。ネット上でも同じような探知器が販売されていた。某ショップサイトで見ると、30軒あまりのオンラインショップでこの種の探知機が扱われており、最も高価なものは、スペシャリスト向け「竜尺探し・高級占い・幽霊探知機」で、価格は2800元(約4万6000円)もする。ただ、1カ月間の販売実績数は「ゼロ」と表示されていた。

○「アプリ」流行の背後に「負け組経済」効果

カラオケアプリ「唱吧」に始まり、カメラアプリ「魔漫相機」や価格比較アプリ「我査査」、さらには「幽霊探知器」にいたるまで、さまざまなアプリが、ある一定期間ごとに大流行してきた。東軟集団の●氏は、「これらアプリの大ヒットの背景には、ユーザーが面白く遊べて好奇心を満たせるほか、社会の情報共有化とクチコミが感染的に広がっていくバイラルマーケティングこそが人気を爆発させた主な要因となっている」と指摘した。

公式情報によると、「幽霊探知器」は2013年3月にアップルストアで販売が開始されたが、2014年2月にやっと人気が上がり始めた。これは、バイラルマーケティングのS字型曲線と一致する。

瀋陽工業大学マーケティング学部の趙巍(ジャオ・ウェイ)教授は、次のような見方を示した。

「唱吧」や「魔漫相機」のような大衆向けアプリの流行の背後には、いわゆる「◆糸(負け組)経済」が潜んでいる。モバイル・ネットワークユーザーの中心は若者で、そこでは「高富帥(長身でリッチなイケメン)」は影を潜め、「◆糸」が主役になっている。「◆糸」は、簡単に安価で手に入る娯楽を求めており、価格や価格性能比にかなり敏感で、基本的にはアプリにお金を使いたくないと思っている。そして、皮肉なことに、彼らが最も広範かつ手堅いソフトの伝播力となっている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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