「十分な資金がある」中国経済、なぜ外資導入に力入れる?―中国メディア

人民網日本語版    2020年9月24日(木) 5時20分

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中国が長年にわたる発展の中で形成してきた整った製造業システム、優れたビジネス環境、高い競争力を備えた要素の優位性が、短期間で他のものに取って代わられることはあり得ない。

これまでたびたび保護貿易主義の妨害を受け、さらに新型コロナウイルス感染症の打撃を被ったものの、中国が長年にわたる発展の中で形成してきた整った製造業システム、優れたビジネス環境、高い競争力を備えた要素の優位性が、短期間で他のものに取って代わられることはあり得ない。

海外の論調には習慣のように中国経済の悪化を唱えているものもあるが、今週中国で発表された一連のマクロ経済データによって、こうした破綻だらけの説は反論するまでもなく崩れ去ってしまった。

全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の生産額、物品輸出の前年同期比増加率が今年に入って初めてプラス成長を達成し、固定資産投資の累計増加率はプラスに転じる一歩手前にたどり着き、社会消費財小売総額は再び増加し始めた。中国経済の強靱な回復と期待を上回る業績は、グローバル経済におけるハイライトになっただけでなく、世界経済に低迷から抜け出すための原動力を注入した。

数多くのデータの中で、外資導入と対外直接投資のデータが注目を集めた。9月16日、商務部をはじめとする複数部門が共同で、「2019年度中国対外直接投資統計公報」を発表した。そのデータによると、中国経済がモデル転換と発展を続けていることを受け、中国の対外直接投資はここ数年急速な伸びを実現した。19年の中国対外直接投資のフローは世界2位、ストックは世界3位だった。

これについて、「中国経済は『十分な資金がある』のに、なぜ政府はこれほど力を入れて外資導入を拡大しようとしているのか」と疑問の声を上げる人が必ずいる。周知の通り、資本とは流動することでより高い投資回収率を達成するものだ。中国経済は長年にわたり高度成長を続け、国内には十分な資本の蓄積があり、自ずと海外市場に投入してより大きな収益を得る必要が生じる。ある意味では、中国が改革開放初期の単純な外資導入から、現在の外資導入と対外投資が共に重視され同時進行で行われる状況へと変わったことは、まさしく中国経済がより高いステージに上ろうとしていることを示す重要な変化だ。

客観的にいえば、ここ数年、中国経済の内生的原動力が絶えず増強し、外資を含む外部要素の中国経済を促進する役割が弱まったが、これは外部要素が重要ではないということではない。反対に、外資導入を拡大することで、よりハイレベルの開放型経済を構築すれば、中国が国内の大きな循環を主体としつつ、国内と国外の2つの循環が相互に促進し合う新たな発展局面の形成を加速させる上で、不可欠の役割を果たすことになる。

新型コロナの影響により、今年に入ってから世界の国境を越えた直接投資は大幅に減少し、中国もその影響を免れることはできなかった。しかし感染症予防・抑制と経済・社会発展の総括的推進の取り組みが重大な成果を上げるにつれ、中国の外資導入状況は徐々に回復していった。最新のデータをみると、今年1-8月の中国の実行ベース外資導入額は890億ドルに上り、前年同期比で0.3%減少したが、減少幅は月を追って縮小し、外資導入の状況は全体として予想よりも好調だった。

これまでに述べてきた外資導入データの変化から、中国が今なお世界の人気投資先の1つであることがわかる。これまでたびたび保護貿易主義の妨害を受け、さらに新型コロナの打撃を被ったものの、中国が長年にわたる発展の中で形成してきた整った製造業システム、優れたビジネス環境、高い競争力を備えた要素の優位性が、短期間で他のものに取って代わられることはあり得ない。上海米国商会が発表した最新の報告書では、米国企業のほとんどが引き続き中国市場を有望視し、調査に回答した企業の78.6%が「対中投資を移転させる予定はない」と答え、この割合は前年同期を5.1ポイント上回った。中国EU(欧州連合)商会の報告書も、EU企業の対中投資の状況は全体として安定し、中国以外への移転や投資計画の変更を検討している企業は約10%にとどまり、この割合は過去約10年間で最低だったとしている。

指摘しておかなければならないのは、現在の中国の外資導入状況はすでに新たなステージに入っており、イノベーションによる駆動戦略を実施する中で、外資導入を通じてグローバル資源、特にイノベーション資源の効率の高い配置を実現することが、中国のさらなる開放拡大と外資導入の新たな使命になるという点だ。こうした視点でみると、中国の外資導入はまだ大いにやりがいがある戦略的チャンスの時期にあるといえる。中国は、中国企業が海外に進出して海外市場を開拓するのを積極的に奨励する一方で、「放管服改革」(行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化)をさらに深化させて外資系企業が中国で発展するためのより優れたビジネス環境を構築している。「両輪駆動」でより高水準の開放型経済を打ち出すことが、これからも中国経済の長期的に変わることのない政策の基調になることは確かだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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