ソニーの事業売却は日本経済衰退の現れ、衰退の原因はソニー自身に―中国メディア

Record China    2014年2月21日(金) 15時3分

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20日、日本の電子大手ソニーはこのほど「腕を切断してでも生き延びようとする姿勢」を明らかにした。パーソナルコンピューター事業を売却するとともに大規模なリストラを実施し、またテレビ事業を切り離して分社化することを明らかにしたのだ。写真は上海のソニー広告。

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2014年2月20日、日本の電子大手ソニーはこのほど「腕を切断してでも生き延びようとする姿勢」を明らかにした。パーソナルコンピューター事業を売却するとともに大規模なリストラを実施し、またテレビ事業を切り離して分社化することを明らかにしたのだ。ソニーにこのような決定を迫ったのは、年度報告の不調さだ。今年3月までの2013年度は約11億ドル(約1120億円)の赤字で、ソニーの格付けは投資に適さない「ジャンクレベル」に引き下げられた。人民日報が伝えた。

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多くの人にとって、ソニーはこれまでずっとテレビや高品質の代名詞だった。2年前までは、テレビを買い換えようとする年輩者がいれば、ソニー以外のブランドを薦めていたが、結局買うのはソニーだった。その理由はただ一つ、前に使っていたソニーのテレビが10数年間故障しなかったからだ。

ソニーはかつて世界の技術革新のリーダーだった。ラジオ、テレビからウォークマンまで幅広くカバーし、半導体ラジオ、ウォークマン、3.5インチフロッピーディスクなど、ソニーが生み出した画期的な新技術は12件を数える。だが以前は世界の電子市場で大きな勢力をもち、ピーク時には13万人の社員を抱えていた「ソニー帝国」は、今ではその輝きが色あせてしまった。昨年、赤字の泥沼に沈んだソニーは米国本社ビルを売却している。

ソニーが衰退した原因はソニー自身にある。1990年代後半に新技術や新たな製品をうち出さなかったためだ。年間販売台数870万台という輝かしい記録をうち立てた「VAIO」シリーズのパソコンも、技術改良を行っただけだった。1995年の「ソニーの経営再建」に続いて業績主義に基づく改革を行うと、ソニーはますます短期的な成果を重視するようになり、大量の技術者がソニーから離れていった。コロンビア映画の買収、エリクソンの買収、サムスンとの液晶パネルの合弁生産など、ソニーの功を急いだ一連の戦略は劣勢を根本的に跳ね返すには至らず、かえって主業務のテレビ事業を10年連続の赤字に追いやった。90年代末には、世界のテレビ産業は生産と設計が分離する流れになり、アップルなど一連の営利能力の高い企業が流れに乗って登場し、その一方でソニーをはじめとする日本企業はいわゆる「日本的統合型優位論」に惑わされて、最終的には技術的に孤立するという過ちを犯した。

ソニーだけが特別なのではない。振り返ると、日本の電子産業全体の足元がおぼつかなくなっている。最新の年度報告によれば、ソニーと同じ轍を踏んだパナソニックとシャープは苦境を抜け出し、昨年第1-3四半期の利益はパナソニックが24億ドル(約2450億円)、シャープが17億ドル(約1740億円)に達した。だが子細に観察すると、両社が黒字への転換を果たしたカギは主業務にはない。パナソニックはリストラで固定支出を17億ドル削減したのであり、シャープは中国に液晶技術を移転して2億ドル(約204億円)を得たほか、リストラによる黒字が10億ドル(約1021億円)と大きかった。このことからわかるように、日本の電子産業の経営状態は真の意味で好転したのではない。また今年4月に予定される消費税率引き上げという「一大試練」を受けて、日本の国内市場はさらに萎縮するとみられ、製造業がますます困難に直面するようになることは間違いない。

ソニーが「腕を切断してでも生き延びようとしていること」や日本の電子産業全体の低迷は、日本経済の長期的悪化を示しており、最新のデータもこのことを裏付けている。日本経済の昨年第4四半期(10-12月)の国内総生産(GDP)は前年同期比1%の増加にとどまり、予測を大幅に下回った。輸出の柱だった電子産業が昨年は初めて貿易赤字に陥り、1-9月だけで赤字額は80億ドル(約8180億円)に達し、日本貿易収支にとって「重傷」になった。さらに東日本大震災後のエネルギー輸入コストの増大もあって、日本の経常収支は過去最悪の状態になった。だがそれでもなお政府債務残高は積み上がり続けている。こうしたことから考えると、構造的な障害を取り除くことが難しい安倍首相の改革では、やはり劣勢を挽回するのは難しいといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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