Record China 2020年9月22日(火) 10時30分
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中国はじめ中華圏での低迷が話題になっているディズニー映画「ムーラン」だが、巨大市場を逃して、結局は米映画市場頼みに戻っていると台湾メディアが報じている。
1998年公開のアニメ映画を実写化した「ムーラン」は、北米では新型コロナウイルスの影響で劇場公開を断念し、動画配信サービス「Disney+」でのプレミアム配信を4日からスタート。一方、ディズニーが最も期待を寄せる中国では11日に劇場公開をスタートしたが、初日の興行収入は800万ドル(約8億3600万円)ほど。昨年公開されたディズニー映画「ライオン・キング」の初日興収の約半分の数字にとどまった。
中国の叙事詩から生まれたストーリーの「ムーラン」だが、中国だけでなく香港や台湾など、中華圏ではいずれも成績がふるわず、公開中の「TENET テネット」に大きく水をあけられている。その一方で、「Disney+」のプレミアム配信は好調で、北米ですでに2億6000万ドル(約272億円)の収益に到達した。北米では「Disney+」ユーザーの約3割が「ムーラン」を購入しているが、ディズニーの発表によると全世界6000万人のユーザーのうち半数が北米在住とすれば、すでに900万人を動員した計算になる。この状況から、最終的には米映画市場頼みになったと台湾の聯合報などが報じている。
中国の観客の好みに合わせ、人気女優のリウ・イーフェイ(劉亦菲)をヒロインに抜擢し、ドニー・イェン(甄子丹)ら人気スターを起用。特定の王朝を強調しないなど、中国当局の細かい指示を全て受け入れて制作されたと報じられる「ムーラン」だが、ニューヨーク・タイムズ紙では「中国へのラブレターが大失敗に終わった」などと辛辣な報道も。
「ムーラン」の落ち込みには、香港の民主化運動に対するリウ・イーフェイの昨年8月のSNSでの発言や、少数民族・ウイグル人への中国政府による迫害問題も絡み、ボイコット運動が拡大したことも大きく影響しており、リウ・イーフェイの発言については当時、ディズニー内でも衝撃が走ったことをハリウッド・レポーター誌が報じている。(Mathilda)
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