ソウルで整形手術した男性が死亡、監視カメラの映像にネット衝撃「恐ろしい」

Record China    2020年8月26日(水) 0時10分

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24日、韓国・オーマイニュースの記者がソウル江南にある整形外科クリニックの実情を伝え、韓国のネット上で注目を集めている。資料写真。

2020年8月24日、韓国・オーマイニュースの記者がソウル江南にある整形外科クリニックの実情を伝え、韓国のネット上で注目を集めている。

韓国では最近、韓国政府の医療政策に反対するための専攻医協議会や大韓医師協会によるストライキが行われている。政策の内容は医大生の定員拡大や公共医科大学の設立などだが、これについて記者は「韓国は医者を育てられる力量のある国であり、医療現場には医者が不足しているにもかかわらず医師増員に反対する理由は何か。少なくとも医者不足のために別の人が代わりに医者の業務を行う“幽霊手術”がなくなるのではないか」と指摘し、江南にある整形外科クリニックの実情を伝えている。

記者の実の弟であるデヒさんは約4年前、美容整形手術を受けた後に死亡した。手術室の監視カメラなどを確認したところ、顔面輪郭形成術を受けたテヒさんは手術中に通常の約17倍に達する出血量があった。通常は30~40分程度で終わる術後の止血、洗浄、縫合には2時間かかった。通常は10分程度で済む麻酔覚醒にも2時間を要したという。そんな「明らかに危険な状態」が続く中、退勤時間になると医者は次々に退勤し、その後はテヒさんを含む4人の患者を医師免許のない2人の看護助手が担当していた。

同クリニックの広告には「14年間無事故、全ての手術を最初から最後まで院長が責任を持ちます」と書かれていたという。

クリニックには非常時用の血液すら用意されておらず、輸血もされなかった。さらに、手術室に入ってきた清掃スタッフがテヒさんを眺める様子、看護助手が化粧を直してスマートフォンを操作する姿まで映っていた。手術記録を見ると、このときテヒさんの血圧は80以下にまで下がっていたという。

また、術後に麻酔から覚めないテヒさんが回復室に移されるまでの間、麻酔科医は10回にわたり手術室から出ていった。その間に別の患者が麻酔から覚め、回復室へ移動する姿も映っていた。記者は「分業化された工場式の同時手術が行われていたとみられる」と指摘している。捜査では、同じ時間に手術を受けた患者が他にも数人いることが分かったという。

最後に記者は「医者たちによるストライキを見ると、韓国社会の大多数の医者が患者より金、命より利益を追い求めているようだ」とし、「幽霊手術も工場式の同時手術も本質的には同じ問題で、資本が医療を蚕食しているために、患者が人ではなく金に見えてしまう。これは患者を傷つけ医者を狂わせ、私や私の家族が経験した苦しみが繰り返されてしまう」と訴えている。

これを見た韓国のネットユーザーからは「恐ろしい」「医療人によるストライキは医療の質の向上のためでなく金のためだったのか」「これは他人事じゃない。誰にでも病気になり手術台に行く可能性がある」など不安の声が上がり、「監視カメラの設置を義務付けるべき」との主張が数多く上がっている。

韓国では手術中の事故やトラブルが頻発しており、与党「共に民主党」の金南国(キム・ナムグク)議員は最近、手術室の監視カメラ設置を義務化する医療法修正案を国会に提出した。大統領府の公式サイトには同法案の成立を求める請願が掲載され、次期大統領選の有力候補とされる李在明(イ・ジェミン)京畿道知事も支持を表明している。(翻訳・編集/堂本

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